誰もが一度は必ず耳にしたことのある言葉「チップ(Tips)」
日本に馴染みのない文化なので事前にチップについて学んでいないと、いざお金を支払う場面になって戸惑ってしまうかもしれません。
この記事ではどんな時にチップが必要なのか、どのようにいくら支払えば良いのかなど、実際にカナダで使用されているカード精算機も紹介しながら、チップについて徹底解説していきます。
カナダではサービスを受けたとき、そのサービス料としてチップを支払う慣習があります。
日本にはない慣習なのでどのように捉えたらよいのかと言われると「サービスをしてくれた人へのお礼の気持ちとして支払う」と考えるのが良いでしょう。
チップ文化は欧米諸国に見られる文化ですが、アジアの一部の国にも広まっています。
サービスや接客業に従事している労働者、例えばレストランやカフェなどで働くサーバーなどはチップが貰えることを前提に時給が低く設定されていることもあり、チップは大切な収入となります。
しかしカナダでは最低賃金が年々上昇しており、ブリティッシュコロンビア州(BC州)の例を挙げると、約10年前の8.00ドルから今現在では15.20ドルまで引きあがっています(カナダでは州によって賃金が異なります)
この近年の流れからいずれチップ制度がなくなるかも?と言われていますが、今はしっかりとチップを支払う慣習がありますので、渡航前に学んでカナダ文化を理解しましょう。
シーン別でチップの相場に変動はありますが、カナダでのチップは合計金額の15〜20%が目安となっています。
基本的には受けたサービスの良し悪しを考慮してチップを支払います。
カナダはカード社会であるため、会計時にハンディタイプのカード精算機でチップのパーセンテージを決めて、合計金額にチップを上乗せして支払うことがほとんど。
こちらはバンクーバーのとあるカフェでの会計時、カード精算機の画面です。
この画面の状態で店員さんから手渡され、見ていただけると分かるようにチップを支払う事が前提で、最低表示が15%となっています。
お店によっては10%表示からという所もありますが、10%以下の表示はあまり見かけません。
もちろんパーセンテージを自由にカスタムすることもできますし、〇〇ドルと直接ドルを設定すること、ひどいサービスを受けた場合はチップを支払わないという選択もできます。
チップのパーセンテージ | サービスの質 |
10% | あまり良くない~普通 |
15% | 良い |
18~20% | 大変良い |
上の表の数値が目安となりますので最低でも10%を支払うようにしましょう。
チップは店員さんのサービスを評価する指標となります。
チップの金額が高ければ店員さんのモチベーションアップになりますし、チップの金額が低い、または支払わなかった場合、嫌な顔をされたり、なぜ金額が低いのか聞かれることがあるそうです。
チップはサービスを受けた時に支払うのが基本だとお伝えしました。
カナダでサービスを受けるシーンはレストランやタクシー、美容室など多岐にわたります。
ここではカナダに来た際に主に遭遇するチップを支払うシーンとチップの渡し方、細かいチップの相場をご紹介します。
一番チップを支払うことが多いのがレストランやカフェなどのテーブルサービスを受ける飲食店。
こちらは先述したようにチップの相場は15〜20%ですが、高級レストランとなるとサービスの質も高くなりますので、20%以上の可能性もあると頭に入れておきましょう。
チップは会計時に支払います。
テイクアウトの場合、チップは不要ですがコロナ禍で経営の苦しいお店を応援する気持ちを込めて支払っている人もいます。
カナダで有名なドーナツチェーン「Tim Hortons」やスターバックスなどのカウンターサービスの場合もチップは必須ではありません。
日本と同様にカナダも商業施設へ行くとフードコートやファストフード店があります。
テーブルサービスを受けるわけではないのでチップは不要です。
ですがレジ横に「チップジャー(Tip jar)」と呼ばれるチップを入れる瓶や箱が置いてあることが多いので、良いサービスを受けた場合はチップを渡すのも良いでしょう。
フードデリバリーの場合、チップは必須ではないのですが配達員に5〜10%のチップを渡すのが無難。
というのも配達にかかる時間や移動にかかる労力に対するチップを支払うべき、という意見があるからです。
チップはアプリを通して注文の前後や、配達に来た際に現金で渡します。
美容室やサロン、スパ、マッサージを利用した場合も15〜20%のチップを会計時に一緒に払いましょう。
長時間かつ一対一のサービスを受けることが多いですし、特にサービスが良ければ25%を支払う人もいます。
タクシーやUberを利用した際は10〜20%のチップを渡しましょう。
チップの支払いは料金の支払いと同じタイミングで構いません。
Uberの場合はアプリ経由での支払いも可能です。
ホテルでは荷物を運んでくれるポーターに荷物1つにつき1〜2ドルを現金で手渡ししましょう。
また部屋の掃除をしてくれるハウスキーパーにもチップを支払います。
サイドテーブルや枕の近く、ベッドなどに「Thank you」と書いたメモと一緒に1日2〜5ドルを現金で置いておくと分かりやすくてGood。
連泊の場合まとめて最終日に支払うこともできますが、毎回同じハウスキーパーとは限らないので、毎日チップを置くのが良いでしょう。
ルームサービスを使用した場合も、レストランと同様に15〜20%を目安にチップを支払いましょう。
チップの支払いにはカードと現金の2つの方法があります。
クレジットカードとデビットカードで支払う場合、テーブル会計やレジ会計のどちらの場合でも店員さんからカード精算機を渡されます。
画面に表示されている料金が合計金額と合っているかを確認し、払いたいチップのパーセンテージか金額を入力し、合計金額とチップを同時に支払います。
カナダはカード支払いが主流ですので、この方法でチップを支払うことがほとんどといっても過言ではないでしょう。
パーセンテージでチップの金額を決めるのは自分で計算しなくても良いのでとても簡単です。
端末の種類によっては操作方法が少し異なっていたり、わからなくて戸惑ってしまうかもしれませんが、店員さんに質問すれば丁寧に教えてくれますので安心してくださいね。
現金で支払う場合、3つの方法があります。
1ではチップを含めた金額を支払い「Please keep the cange(お釣りは結構です)」と伝えたり、お釣りを渡されそうになった時は「That’s for you(そのお釣りはあなたのです)」と言うことでチップを渡せます。
手元に大きな紙幣しかなく、お釣りがチップとして多くなり過ぎてしまう場合は「Please give me 〇 dollers back(〇ドルお釣りをください)」と言うことで、残りはチップということを伝えられます。
2では先に合計金額のみを支払い、カフェやファストフード、フードコートではレジ横にチップジャーが置いてあるお店が多いので、その中にチップを入れます。
3は主にレストランでのシーンになりますが、テーブルで支払いを済ませた後にチップをテーブルに置いていくことも可能です。
チップをいざ計算しようとした時に、税抜きと税込みどちらの金額を基に計算したらよいのでしょうか?
先に答えを挙げるとどちらでも構いません。ですが税抜きで計算している人が多いようです。
というのもカナダは州によって消費税が異なり、以下のように3種類の消費税が存在します。
GST(Goods and Services Tax) | カナダ政府が定める消費税。すべての州と準州で一律5%課税される。 |
PST(Provincial Sales Tax) | 州の消費税。マニトバ州(MB州)はRST(Retail Sales Tax)、ケベック州(QC)はQST(Quebec Sales Tax)。州ごとに税率は異なる。 |
HST(Harmonized Sales Tax) | GSTとPSTが合算された消費税。オンタリオ州(ON)、ニュー・ブランズウィック州(NB)、ニューファンドランド・ラブラドール州(NF)、ノバスコシア州(NS)、プリンスエドワードアイランド州(PE)のみ。 |
「参照:General Information for GST/HST Registrants」
「参照:B.C. provincial sales tax (PST)」
例えばBC州のPSTは通常7%ですが、アルコールにかかるPTSは10%です。
なのでお酒を含んだ飲食をすると、GST(5%)+ PST(10%)つまり最大15%の税金がかかるため、税抜きと税込みでチップを計算するのでは大きく金額が変わってくるのです。
チップは税金前の金額から計算しても良いということを覚えておきましょう。
ですがチップを自動で計算してくれるカード精算機で支払う場合は、税込みの金額で計算されてしまうのでチップが少し増える、ということも頭に留めておいてください。
バンクーバーのとあるカフェでイートイン、デビットカードで支払いをした場合のレシートがこちらです。
BC州ではカフェでの飲食(アルコールを含まない)にPSTはかからないので、2のGSTのみとなっています。
先述したようにカード精算機で支払いをしているため、3の税込みの金額Total(合計)11.50ドルの15%、つまり4の1.73ドル(正確には1.725ドルですが、繰り上げをして1.73ドル)がチップとして加算されています。
もし現金で支払う(または自分でチップを計算して直接金額を打ち込む場合)、1のSubtotal(小計)10.95ドルの15%、つまり1.64ドルがチップとなります。
合計が大きい金額ではなくPSTもかかっていないので、カード精算機を使用した場合とそうではない場合のチップの差は大きくありませんが、端末を使用した方がチップ金額が高くなることはお分かりいただけたでしょうか。
レシートに「Service charge(サービスチャージ)」「Gratuity(グラチュイティ)」という表示がある場合はチップの支払いは不要です。
これは「すでに合計金額の中にチップが含まれています」という意味になりますので、余分にチップを払いすぎてしまった……とならないように気を付けましょう。
大変良いサービスを受けてもっとチップを払いたいのであれば、もちろん追加しても大丈夫です。
また多くのレストランでは団体客(通常8人以上)に対して最初から15〜18%のチップを請求される場合があります。
チップはカナダの文化に深く結びつき、義務ではないけれどサービスを受けたときに支払わないのは失礼にあたります。
サービスが良かったのならばそれをチップで示し、そのまた逆もしかりで、悪かったのならば最低でも10%はチップを支払い、相手に伝えましょう。
日本ではサービスがあることが当たり前なので、サービスにお金を支払うことに疑問を持つ方もいるかもしれません。
ですが「郷に入っては郷に従え」という言葉もあるように、カナダでチップはマナーとなっています。
渡航前にカナダのチップ文化を学んで理解し、気持ちよく留学生活をスタートさせましょう!
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