2026年から開始が予定されている日本とマルタのワーキングホリデー（ワーホリ）は、地中海の美しいリゾート地で働きながら暮らせる新しいチャンスとして注目を集めています。公用語の一つが英語であり、欧米諸国と比べて物価が比較的安いとされるマルタは、語学留学先としても人気の高い国です。

一方で、ワーホリでの滞在には生活費や渡航費、学費などさまざまな費用がかかるため、「総額でいくら必要なのか」「現地でどのくらい稼げるのか」といった点が気になる人も多いでしょう。

この記事では、2026年1月から開始が見込まれるマルタのワーホリについて、想定される費用の総額や内訳、現地で実践できる節約のコツをわかりやすく解説します。情報は一般的なワーキングホリデー制度やマルタの生活事情をもとにした予測であり、今後の正式発表によって変更となる場合があります。

なお、マルタのワーホリ制度は2025年10月時点で申請条件や滞在ルールなどの詳細が公表されていません。そのため、最新情報は必ず在日マルタ共和国大使館や日本の外務省の公式ウェブサイトで確認するようにしましょう。

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マルタのワーホリ費用総額はいくら？期間別（3ヶ月・半年・1年）の目安

マルタでのワーキングホリデーに必要な費用は、滞在期間や生活スタイルによって大きく変動します。以下の金額は、マルタの一般的な留学や生活費データをもとにした現時点での参考試算であり、2025年10月時点ではワーホリ制度の詳細（就労可否・収入条件など）は公式に発表されていません。そのため、実際の費用は今後の制度内容によって変わる可能性があります。

現段階の試算では、1年間の滞在で約120万円〜200万円前後が目安と考えられます。ただし、航空券代や生活費などを含めた一般的な生活想定によるなので、実際の生活費は求めたいライフスタイルによります。

滞在期間	費用の目安（日本円）	概要（あくまで予測です）
3ヶ月	約50万円～80万円	渡航初期費用＋現地生活費
半年（6ヶ月）	約80万円～130万円	渡航初期費用＋現地生活費
1年間（12ヶ月）	約120万円～200万円	渡航初期費用＋現地生活費

 

現地でのアルバイト収入との相殺や上振れ分は含まれていないため、就労可能時間ではありますが生活費の一部を現地収入でまかなうことも可能と考えられます。

計画を立てる際は、制度発表後に公的情報を確認したうえで、余裕を持った資金準備を行うことが大切です。

マルタのワーホリ費用の内訳

マルタのワーキングホリデーを計画する際は、総額の目安だけでなく、費用の内訳を具体的に把握することが大切です。大きく分けると「渡航前に日本で発生する初期費用」と「現地での生活費」の2種類があります。

出発前には、航空券や海外旅行保険などのまとまった支出が必要になります。一方で、現地での家賃・食費・交通費などは、毎月継続的に発生する支出として考える必要があります。以下では、まず渡航前に日本で必要となる費用の目安を紹介します。

渡航前に日本で必要な費用（航空券・保険など）

マルタへ出発する前に必要な初期費用は、おおよそ47万円〜80万円前後が目安と考えられます。ただし、これはマルタのワーホリ制度が正式に発表されていない現時点での一般的な留学費用を基にした予測試算です。

航空券の価格は出発時期や経由地によって大きく変わり、保険料も加入プランや補償範囲によって差があります。実際の金額を把握する際は、複数の航空会社や保険会社を比較することが重要です。

項目	費用目安（日本円）	備考（すべて予測・試算値です）
往復航空券代	約150,000円～250,000円	時期や経由便の利用で変動する目安
海外旅行保険料（1年間）	約200,000円～300,000円	補償内容により大きく変動する目安
ビザ申請関連費用	未定（約20,000円～50,000円と想定）	要公式発表確認
現地での初期生活費	約100,000円～200,000円	家賃デポジットや当面の生活費の目安
合計（試算）	約470,000円～800,000円

なお、ビザ申請費用や申請時に求められる資金証明額については、正式な制度発表後に確認が必要です。航空券や保険料も個人の選択や為替相場によって変動するため、最新の料金を調べたうえで余裕を持った計画を立てましょう。

現地でかかる1ヶ月の生活費（家賃・食費など）

マルタでの生活に必要な1ヶ月あたりの費用は、約14万円〜25万円（約800〜1,400ユーロ）が目安とされています。
※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

ヨーロッパの中では比較的物価が安いとされるマルタですが、生活費の中で最も大きな割合を占めるのは家賃です。滞在するエリア（セントジュリアンやスリーマなどの中心地か、郊外か）、または住居形態（一人暮らし・シェアハウスなど）によって費用は大きく異なります。

以下は、一般的な生活スタイルを想定した1ヶ月あたりの費用目安です。

項目	費用目安（ユーロ）	費用目安（日本円）
家賃（シェアハウス）	約400～800ユーロ	約70,000円～140,000円
食費（自炊中心）	約200～300ユーロ	約35,000円～52,500円
交通費	約0～20ユーロ	約0円～3,500円
通信費（SIMカード）	約10～30ユーロ	約1,750円～5,250円
交際費・雑費	約100～200ユーロ	約17,500円～35,000円
合計（月額目安）	約710～1,350ユーロ	約124,250円～236,250円

※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

上記はあくまで目安であり、生活スタイルや住む地域によって変動します。特に食費は自炊を中心にすることで大幅に節約できる一方、外食やカフェ利用が増えると出費がかさみやすくなります。

交際費には、友人との外食や週末旅行、観光などの費用が含まれます。シェアハウスを選んで家賃を抑え、自炊を工夫することで、生活コストを全体的に抑えることが可能です。

マルタの物価は高い？安い？主要項目の価格一覧

マルタの物価は、イギリスやフランス、ドイツなど西ヨーロッパ諸国と比べるとやや安いといわれています。しかし、日本と比べると「ほぼ同程度」もしくは「一部の項目は高い」と感じる場面もあります。

特に外食費は、日本よりも割高になることが多い一方で、公共交通機関（特にバス）などは非常にリーズナブルです。マルタでは一定期間用のバスカードを購入すれば、1回あたりの乗車費を大幅に抑えることができます。

以下は、マルタでの主な生活必需品やサービスの価格目安です。

項目	価格目安（ユーロ）	価格目安（日本円）
水（1.5L）	約0.70～1.00ユーロ	約123円～175円
ビール（マルタ産/缶）	約1.00～1.50ユーロ	約175円～263円
パスタ（500g）	約1.00～2.00ユーロ	約175円～350円
カフェのコーヒー	約2.00～3.00ユーロ	約350円～525円
レストラン（ランチ）	約10.00～15.00ユーロ	約1,750円～2,625円
レストラン（ディナー）	約20.00～35.00ユーロ	約3,500円～6,125円
バスの1回券（現金）	約2.00～2.50ユーロ	約350円～438円
タクシー（空港から市内）	約15.00～25.00ユーロ	約2,625円～4,375円

※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

外食はどうしても出費が増える傾向があるため、自炊を中心にすれば生活コストを抑えやすいです。スーパーではイタリア産の食材やパスタ、オリーブオイルなどが比較的安価に購入できるため、調理の工夫次第で節約が可能です。

関連記事：留学費用が安い国14選を特徴とともに紹介！料金相場や負担を抑えるコツも解説

マルタのワーホリ費用を抑えるための10の節約術

マルタでのワーキングホリデー生活は、日々のちょっとした工夫で費用を大幅に抑えることが可能です。物価が比較的安いといわれるマルタでも、収入が安定するまでは計画的な節約が欠かせません。

ここでは、出発前の準備から現地生活まで、無理なく実践できる10の節約術を紹介します。

1. 航空券はオフシーズンを狙って購入する
2. 家賃が安い郊外エリアやシェアハウスを選ぶ
3. 自炊を基本に、外食はランチタイムを上手に利用
4. 格安スーパー「Lidl」と地元市場を使い分ける
5. バス利用は「Tallinja Card」で交通費を節約
6. 無料イベントやビーチで娯楽費を抑える
7. 格安SIMを活用して通信費を節約
8. お酒代は「ハッピーアワー」を狙って節約
9. 学生割引・無料Wi-Fiスポットを活用する
10. 仕事探しを早めに始めて収入源を確保

1. 航空券はオフシーズンを狙って購入する

マルタへの航空券代は、渡航時期によって大きく変動します。地中海の人気リゾート地であるため、7月〜9月の夏季は観光客が集中し、航空券価格が上昇する傾向にあります。

一方で、観光シーズンが落ち着く11月〜2月頃のオフシーズンは、航空券を比較的安く購入できる時期です。渡航時期を柔軟に調整できる場合は、この時期を狙うことで往復で数万円単位の節約が期待できます。

また、日本からマルタへの直行便はないため、ドバイ・イスタンブール・フランクフルトなどを経由する便を利用します。複数の航空会社や予約サイトを比較し、早めの予約を心がけることが節約のコツです。

2. 家賃が安い郊外エリアやシェアハウスを選ぶ

マルタでの生活費の中で、最も大きな割合を占めるのが家賃です。特に、語学学校や飲食店が集まるセントジュリアンやスリーマといった人気エリアは、家賃が高く設定される傾向にあります。

生活費を抑えたい場合は、これらの中心地からバスで15〜30分ほど離れた郊外エリア（グジラ、イムシーダ、スワタールなど）を検討すると良いでしょう。通学や通勤にも十分便利で、賃料を抑えつつ落ち着いた環境で生活できます。

また、一人暮らし（ワンルーム）ではなく、アパートの一室を借りるシェアハウス（フラットシェア）を選ぶことで、家賃だけでなく電気・水道などの光熱費も分担できます。これにより、毎月の固定費を大幅に節約できるでしょう。

3. 自炊を基本に、外食はランチタイムを上手に利用

マルタでは外食費が日本より高い傾向にあるため、自炊を徹底することが最も効果的な節約法です。スーパーで食材をまとめ買いし、自分で調理すれば、食費を月200ユーロ（約35,000円）程度に抑えることも可能です。
※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

外食をする場合は、ランチタイムを狙うのが賢い方法です。多くのレストランでは、ランチセットや日替わりメニューがディナーよりも手頃な価格で提供されています。

さらに、マルタの定番軽食「パスティッツィ（Pastizzi）」は、1ユーロ（約177円）以下で購入できる人気グルメです。リコッタチーズや豆のペーストが入ったサクサクのパイで、軽食やおやつにぴったりです。安くておいしいローカルフードを上手に活用することで、食費をさらに抑えることができます。

4. 格安スーパー「Lidl」と地元市場を使い分ける

自炊を中心とした生活を送るうえで、どのスーパーで食材を購入するかは節約のカギになります。マルタにはいくつかのスーパーマーケットチェーンがありますが、その中でもドイツ系の格安スーパー「Lidl（リドル）」は、留学生や節約志向の現地住民に非常に人気です。

Lidlでは、パスタや冷凍食品、野菜、日用品などが他店よりも安価に購入できる傾向があります。特にまとめ買いをする際や、シンプルな自炊を続ける人にとっては心強い存在です。

一方で、新鮮な野菜や魚介類を求めるなら地元の市場（マーケット）を活用するのがおすすめです。マルサシュロックで毎週日曜に開かれる「サンデーマーケット（フィッシュマーケット）」は特に有名で、地元の人々や観光客で賑わいます。新鮮な魚介類や季節の野菜が手頃な価格で手に入るため、自炊派にとっては節約と健康の両立が可能です。

このように、Lidlで日常食材をまとめ買いし、地元市場で鮮度の高い食材を購入するといった使い分けをすることで、食費を無理なく抑えることができます。

5. バス利用は「Tallinja Card」で交通費を節約

マルタ島内の主な移動手段はバスです。現金で乗車する場合、2025年10月時点では夏期（6月中旬〜10月中旬）は2.50ユーロ（約438円）、冬期は2.00ユーロ（約350円）の運賃がかかります。

※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

しかし、長期滞在者や留学生にとっておすすめなのが、記名式の交通系ICカード「Tallinja Card（タリンヤカード）」です。現地で発行・登録を行うと、通常運賃が無料になるスキームが導入されており（一部の特別路線を除く）、マルタで生活するうえでの交通費を大幅に節約できます。

このカードはオンラインまたは主要バスターミナル（ヴァレッタなど）で申請が可能です。ワーホリのように中長期で滞在する場合は、到着後できるだけ早く発行手続きを行うことが節約の第一歩となります。

6. 無料イベントやビーチで娯楽費を抑える

マルタは、お金をかけずに楽しめるアクティビティが非常に豊富な国です。最大の魅力は、やはり地中海に面した美しい海とビーチです。夏の時期には海水浴や日光浴をするだけで、リゾート気分を味わえます。

さらに、首都ヴァレッタや古都イムディーナなど、歴史的な街並みを散策するだけでも十分に観光気分を楽しめます。石造りの街並みや要塞跡地など、世界遺産に登録されたエリアも多く、写真スポットとしても人気です。

また、マルタでは年間を通して無料のフェスティバルや宗教行事（フェスタ）、ストリートパフォーマンスなどが各地で開催されます。音楽イベントや花火大会など、現地の文化を感じられる機会が多いため、費用をかけずに充実した時間を過ごすことができます。

このように、娯楽費を抑えるには「無料で楽しめる場」を積極的に活用することがポイントです。自然や文化に触れながら、コストをかけずにマルタらしい生活を満喫しましょう。

7. 格安SIMを活用して通信費を節約

スマートフォンの通信費も、現地の格安SIMを利用することで大幅に節約できます。日本の携帯電話会社による海外ローミングは高額になるため、マルタ到着後に現地のSIMカードを購入するのが一般的です。

マルタでは、「GO」「Melita」「epic」といった通信会社が主要キャリアとして知られています。これらの会社では旅行者や短期滞在者向けのプリペイドプランを提供しており、月額10〜30ユーロ（約1,750円〜5,250円）程度で、十分なデータ通信と通話が利用可能です。

※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

契約前には、データ容量・有効期間・追加チャージの可否などを比較し、自分の滞在スタイルに合ったプランを選びましょう。必要以上のデータ量を契約しないことが、無駄な出費を抑えるコツです。

8. お酒代は「ハッピーアワー」を狙って節約

友人との交流やリフレッシュに、パブやバーでお酒を楽しむ機会もあるでしょう。マルタの繁華街、特にセントジュリアンやパーチャビル周辺では、夕方〜夜の早い時間帯（例：17時〜19時）に「ハッピーアワー」を実施しているお店が多くあります。

この時間帯は、カクテルやビールが「1杯頼むともう1杯無料（Buy One Get One Free）」になったり、通常価格から50％割引になるなど、非常にお得です。頻繁に外食や外飲みをする人ほど、この時間帯をうまく活用することで、交際費を大きく抑えられます。

また、スーパーで購入できるローカルビール「Cisk（チスク）」やマルタ産ワインを家で楽しむ「宅飲み」も人気の節約スタイルです。外で飲むよりも費用を抑えながら、リラックスした時間を過ごせます。

9. 学生割引・無料Wi-Fiスポットを活用する

マルタで語学学校に通う予定がある場合は、「学生割引」を積極的に活用することが節約のコツです。学生証を提示するだけで、バス運賃の割引（Tallinja Cardの学生プラン）や、美術館・観光施設の入場料、さらに一部の飲食店などで割引を受けられることがあります。

特にマルタの公共交通は学生に優しく設計されており、長期滞在者でも学生登録を行えば交通費を大幅に削減できます。留学生が多い国ならではの制度をうまく利用しましょう。

また、マルタは観光立国であるため、無料Wi-Fiスポットが非常に充実しています。主要都市の広場、ショッピングモール、カフェやレストランなど、多くの場所で無料インターネット接続が可能です。

スマートフォンのデータ通信量を抑えるためにも、外出時は無料Wi-Fiを積極的に活用するのがおすすめです。こうした小さな工夫の積み重ねが、通信費全体の節約につながります。

10. 仕事探しを早めに始めて収入源を確保

最も効果的な節約方法は、支出を抑えることに加えて、収入を確保することです。現地での生活費をすべて貯金でまかなうと、どうしても節約一辺倒になり、行動範囲や体験が限られてしまうことがあります。

2025年10月時点では、マルタのワーキングホリデー制度で渡航直後から就労が可能かどうかは未発表ですが、もし就労が許可される制度となった場合には、生活が落ち着き次第、できるだけ早く仕事探しを始めることをおすすめします。

現地で仕事が見つかり、定期的な収入が得られるようになると、経済的にも精神的にも余裕が生まれます。日本にいるうちから英文履歴書（CV）を準備しておき、マルタの求人サイト（Jobsplus、Keepmepostedなど）を確認しておくと、スムーズに行動できます。

早めの情報収集と準備が、現地での生活を安定させ、充実したワーホリ生活につながります。

マルタのワーホリで得られる収入目安

マルタでワーキングホリデーをする際、どの程度の収入が見込めるかは、生活計画を立てるうえで非常に重要な要素です。

マルタの平均収入水準は、イギリスやフランスなど西ヨーロッパ諸国と比べるとやや低めですが、現地の物価を考慮すれば生活費を十分にまかなえる範囲といえます。

収入額は、勤務する職種や英語力のレベル、職務経験などによって大きく異なります。

以下の内容は、現時点で公開されているマルタの一般的な賃金データに基づいた予測であり、ワーキングホリデー制度における就労条件（労働時間の上限、許可職種など）は今後の公式発表を待つ必要があります。

マルタの最低賃金はいくら？

2025年1月1日時点で、マルタ政府が定める法定最低賃金は、18歳以上の場合週あたり221.78ユーロ（約38,800円）です。
これは週40時間労働を前提とした場合、時給約5.54ユーロ（約980円）に相当します。

※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

月額に換算すると、約960ユーロ（約17万円）前後となります。ただし、週数や勤務日数、シフト形態によって実際の金額は前後します。

この金額はあくまで国が定める最低基準であり、職種や勤務先によって賃金は上昇する傾向があります。特に観光業・飲食業・宿泊業といったサービス業では、最低賃金を上回る給与設定が一般的です。

たとえば、ワーホリで人気の職種であるカフェスタッフやホテルスタッフの場合、時給6〜7ユーロ（約1,060〜1,240円）程度が目安とされるケースもあります。英語力が高く、接客経験がある人は、さらに高時給のポジションを得られる可能性があります。

職種別の平均収入（時給・月収）

マルタでのワーキングホリデーでは、観光業・サービス業・語学学校関連の仕事が中心になると予測されます。地中海リゾートとして観光需要が高く、飲食店やホテルの求人は年間を通して多く見られます。

また、マルタはヨーロッパにおけるiGaming（オンラインカジノなどのゲーム関連産業）の拠点としても知られており、英語やITスキルを活かしてカスタマーサポート職に就くチャンスもあります。

以下の表は、一般的な求人情報や現地の雇用データをもとにした予測値（参考目安）です。ワーキングホリデー制度の正式条件（労働時間・職種制限など）は未発表のため、実際の収入は変動する可能性があります。

職種	時給目安（ユーロ）	月収目安（週40時間/ユーロ）
飲食（ホール・キッチン）	約6.0～7.5ユーロ	約1,040～1,300ユーロ
ホテル（清掃・受付）	約6.0～8.0ユーロ	約1,040～1,380ユーロ
語学学校（アシスタント）	約6.5～8.5ユーロ	約1,125～1,470ユーロ
iGaming（カスタマーサポート）	約8.0～12.0ユーロ	約1,380～2,080ユーロ
日本食レストラン	約6.0～7.5ユーロ	約1,040～1,300ユーロ

※月収は週40時間×4.33週で計算（最低賃金5.54ユーロ／時を上回る想定）
※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）

英語力や専門スキルが高い人ほど、時給の高い職種（特にiGaming関連）に就ける可能性が高まります。反対に、英語力が初級レベルの場合は、清掃やキッチンなどバックヤード業務からスタートし、経験を積んでステップアップしていくケースが一般的です。

現地で安定した収入を得るためには、出発前に英語力を伸ばしておくことが何よりの投資となります。

関連記事：マルタのワーホリで仕事は見つかる？稼げる？職種・給料・探し方まで完全ガイド

フルタイム勤務の月収シミュレーション

以下は、ワーホリ制度の詳細がまだ発表されていない段階での試算です。あくまで現地の一般的な物価・給与水準を参考にしたシミュレーションであり、実際の時給・税率・生活費とは異なる可能性があります。参考値としてご覧ください。

仮に、マルタの飲食店で時給6.0ユーロ（約1,060円）・週40時間のフルタイム勤務を想定した場合の月々の収支は、以下の通りです。

項目	金額（ユーロ）	日本円目安
＜収入（予測）＞
額面月収（A）	約1,040ユーロ	約182,000円
税・保険料控除（B）	約-140ユーロ	約-24,500円
手取り月収（C） =（A）-（B）	約900ユーロ	約157,500円
＜支出（節約した場合の試算）＞
家賃（郊外シェア）	約450ユーロ	約78,750円
食費（自炊中心）	約200ユーロ	約35,000円
その他（交通・通信・雑費）	約150ユーロ	約26,250円
支出合計（D）	約800ユーロ	約140,000円
＜収支シミュレーション（C）-（D）＞	約+100ユーロ	約+17,500円

※1ユーロ＝177円換算（2025年10月時点）
※額面月収：時給6.0ユーロ × 週40時間 × 4.33週
※税・保険料控除：仮に約13.5％と想定
※交通費：無料のTallinja Card（タリンヤカード）利用を想定

このシミュレーションでは、時給6.0ユーロでフルタイム勤務ができた場合、郊外のシェアハウスに住み、自炊を中心とした生活を心がければ、月に約100ユーロ（約17,500円）程度の黒字が見込める計算になります。

ただし、勤務時間が短縮されたり、外食や娯楽費が増えたりすると、赤字に転じる可能性もあります。制度が正式に始まった際には、実際の労働条件・税制・生活費を基に再試算することが重要です。

税金や手取り額の計算方法

マルタで働いて収入を得る場合、日本と同様に所得税（Income Tax）と社会保険料（Social Security Contributions）が給与から天引きされます。

社会保険料は、収入額に応じて一定の料率（例：収入の約10％）が控除されます。これは健康保険や年金などの社会保障制度を支えるための負担で、労働者全員に適用されます。

一方、所得税は累進課税制度が採用されており、収入が多いほど税率が高くなります。マルタの税制は、独身者・既婚者・ひとり親などの属性によっても税率が異なるため、やや複雑です。

ワーキングホリデーでフルタイム勤務をする場合、おおよそ額面収入の10％〜20％程度が、これらの税金や社会保険料として差し引かれると想定しておくとよいでしょう。

また、面接時や雇用契約時には、提示された給与が「額面（Gross）」なのか「手取り（Net）」なのかを必ず確認することが大切です。特に、時給や月給の表記が税引き前かどうかを明確にしておくことで、実際の手取り額の誤解を防ぐことができます。

関連記事：英語圏のワーホリ人気国ランキングTOP5！各国の魅力や費用面など選ぶ際のポイントを紹介

マルタのワーホリが注目される3つの理由

2026年から開始が予定されているマルタのワーキングホリデーは、なぜこれほど関心を集めているのでしょうか。
その理由は、他の英語圏ワーホリ協定国（イギリス、オーストラリア、カナダなど）にはない独自の魅力があるからです。

マルタが注目される背景には、次の3つの特徴が挙げられます。

• 1. 英語を学びながら働ける、コスパ抜群のヨーロッパの国
• 2. 格安LCCでヨーロッパ周遊が気軽にできる
• 3. 働きながら学ぶライフスタイルに最適な国

これらの要素が揃うことで、費用を抑えながら英語力を伸ばし、ヨーロッパで多様な文化に触れたい人に最適な選択肢として注目を浴びています。

1. 英語を学びながら働ける、コスパ抜群のヨーロッパの国

マルタ最大の魅力は、ヨーロッパにいながら公用語が英語であるという点です。イギリス統治時代の名残から、英語が生活やビジネスの中に深く根付いており、現地での仕事・学校・日常会話のすべてを英語で行うことができます。

さらに、イギリスやアイルランドなど他のヨーロッパ英語圏と比較して物価や語学学校の費用が安いのも特徴です。たとえば、語学学校の授業料や家賃はロンドンやダブリンに比べて抑えられる傾向にあり、留学生やワーホリ参加者にとって経済的負担が少ない環境といえます。

つまり、「ヨーロッパで生活したい」「英語を学びたい」「でも費用は抑えたい」という希望を同時に叶えられる国がマルタです。コストパフォーマンスの高さと生活のしやすさを兼ね備えたワーホリ先として、多くの若者から支持を集めています。

2. 格安LCCでヨーロッパ周遊が気軽にできる

マルタは、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸の間に位置する地中海の中心的なロケーションにあります。この地理的な利点を活かし、マルタ国際空港からは多数の格安航空会社（LCC）が就航しており、ヨーロッパ各都市へのアクセスが非常に便利です。

イタリアのローマやシチリアへは約1時間、ロンドンやパリ、バルセロナへもおおよそ2〜3時間程度で到着できます。週末や連休を利用して他国を訪れることも難しくなく、働きながらヨーロッパ各地を気軽に旅できるのはマルタならではの魅力です。

さらに、航空券はオフシーズンやプロモーション期間を狙えば格安で購入できるため、費用を抑えながら異文化体験を広げることが可能です。ワーホリを通して「仕事・英語学習・旅行」の3つを両立できる環境が整っている点も、多くの人に注目される理由の一つです。

3. 働きながら学ぶライフスタイルに最適な国

マルタはもともと語学留学先として世界的に人気の高い国です。島内には数多くの語学学校があり、世界中から英語を学びに来る学生が集まっています。そのため、「学びながら働く」スタイルに理解がある環境が形成されていると考えられます。

ワーキングホリデー制度が始まれば、午前中は語学学校で英語を学び、午後はレストランやカフェで働くといった柔軟な生活スタイルを実現できる可能性があります。

また、マルタは観光業が主要産業の一つであり、ホテル・飲食・販売などのサービス業の求人が豊富にあります。英語を使いながら実践的に働く経験を積める環境として、キャリア形成の面でも大きな価値を持つでしょう。

関連記事：ワーキングホリデーにおすすめな国を一挙紹介！国選びのコツも目的別に解説

マルタのワーホリ前に知っておきたい注意点

魅力的なマルタのワーキングホリデーですが、渡航を計画する前にいくつか注意すべきポイントがあります。特に2026年から始まる新制度は、まだ詳細が発表されていないため、情報が流動的であることを前提に準備を進める必要があります。

現時点で想定される注意点は、以下の2つです。

• 仕事は観光・サービス業中心と理解しておこう
• 新制度（2026年開始）は不明点が多い点に注意

これらを踏まえて現実的な計画を立てておくことで、現地でのギャップを減らし、安心してワーホリ生活をスタートできます。

仕事は観光・サービス業中心と理解しておこう

マルタの主要産業は観光業です。そのため、ワーホリで見つけやすい仕事は、ホテル、レストラン、カフェ、小売店などのサービス業に集中する可能性が高いと考えられます。

一方で、マルタ経済を支えるもう一つの柱として、iGaming（オンラインゲームやカジノなどのIT関連産業）も存在します。英語力が高く、カスタマーサポートや事務職の経験がある人は、こうした企業で働けるチャンスもあるでしょう。

ただし、マルタの最低賃金は他の英語圏ワーホリ協定国に比べて低めです。そのため、「ワーホリで貯金を増やす」ことを目的にするのは難しいといえます。

マルタでのワーホリは、あくまで生活費を補いながら、ヨーロッパでの生活や英語学習を経験することに価値を置くプログラムと考えるのが現実的です。

新制度（2026年開始）は不明点が多い点に注意

マルタのワーキングホリデーは2026年からの開始が予定されていますが、2025年10月現在、まだ多くの点が正式に発表されていません。具体的な申請方法やビザの費用、年間の募集枠、申請開始時期、就労や就学に関する条件などは今後公表される見込みです。

ワーホリ制度は日本とマルタの間で結ばれる協定に基づいて運用されるため、制度内容が変更される可能性もあります。そのため、SNSや個人ブログなどの古い情報や確証のない内容をうのみにせず、日本国大使館やマルタ政府の公式サイトで最新情報を確認することが大切です。

この記事で紹介している内容は、あくまで現時点での予測や一般的な情報をもとにした参考資料です。マルタのワーキングホリデーに興味がある方は、在日マルタ共和国大使館の公式サイトを定期的にチェックし、最新の発表を確認するようにしましょう。

マルタワーホリ費用の不安を解消！タビケン留学で最適なプランを見つけよう

「2026年のマルタワーホリに興味があるけれど、費用がどのくらいかかるのか不安」「自分の予算で本当に実現できるのか知りたい」、そんなお悩みをお持ちの方に向けて、タビケン留学では60分間の無料カウンセリングを実施しています。

マルタのワーキングホリデーはまだ新制度のため、最新情報や具体的な条件が分かりづらい部分もあります。だからこそ、専門のカウンセラーが一人ひとりのご希望やご予算を丁寧にヒアリングし、個別の費用シミュレーションや節約プランをわかりやすくご案内します。

語学学校の選び方や渡航準備の進め方、現地での生活費の目安など、どんな小さな疑問でもお気軽にご相談いただけます。
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まとめ：マルタのワーホリ費用は工夫次第！今日から準備を始めよう

2026年から開始が予定されているマルタのワーキングホリデーは、ヨーロッパの英語圏で「働く」「学ぶ」「暮らす」を両立できる、コストパフォーマンスの高い制度になると期待されています。

1年間の総費用はあくまで現時点での予測ですが、約120万円〜200万円程度が目安と考えられます。これは他の英語圏のワーホリ協定国と比べても比較的挑戦しやすい水準といえます。

現地での生活費は、シェアハウスの利用、自炊の徹底、交通カードの活用などの工夫によって抑えることが可能です。また、フルタイムで働くことができれば、生活費をまかないながら、週末にヨーロッパ旅行を楽しむ余裕を持てるかもしれません。

制度の詳細はまだ発表されていませんが、今から情報収集や資金計画を始めておくことが、成功の第一歩です。この記事の内容は一般的なワーキングホリデー制度を基にした予測であり、実際の条件は変更される可能性があります。

マルタのワーホリを検討している方は、在日マルタ共和国大使館や日本の外務省の公式サイトで最新情報を確認し、確かな情報に基づいた準備を進めましょう。

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【参考】
National Minimum Wage – The Department
Tourism – Demand-Side Survey（Visitors） – NSO Malta
L.N. 342 of 2024 EMPLOYMENT AND INDUSTRIAL RELATIONS ACT（pdf）
Fares and Tickets
Malta Public Transport’s Winter Schedule to commence on 22 September 2025