カナダでワーキングホリデーをすると決まったら、ビザの種類や申請はどうしたらいいのか悩むでしょう。結論、カナダでのワーキングホリデーにはビザではなく就労許可が必要です。

今回は、カナダのワーキングホリデーに必要なワーホリビザを申請する流れについて解説します。本記事を読めば、ワーホリビザを取得し現地での仕事を楽しむ準備ができます。

ワーホリビザを申請する際にかかる費用や期間、自分で申請する際の注意点などもあわせて紹介するのでぜひ最後までご覧ください。

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【要確認】カナダのワーホリはビザではなく就労許可が必要となる

カナダのワーホリでは就労許可として、IECと呼ばれるカナダのワーホリビザが必要です。

IECでは、カナダに最長12ヶ月滞在でき、就学は最長6ヶ月まで認められています。就労についての制限はありません。

カナダのワーホリビザ、IECの概要について以下の表にまとめました。

※1加ドル＝106円で換算（2025年6月時点）

IECを申請するには、最低2,500加ドル相当（約275,000円）の資金を有していることも条件とされています。

他にも申請するための条件はいくつかあるため、公式HPから詳細をチェックしてください。

カナダのワーホリビザ（IEC）を自分で申請する際の手順

カナダのワーホリビザ（IEC）は自分で申請できます。

ここでは、IECを自分で申請する際の流れを下記の手順で詳しく解説します。

• 手順①：IRCCセキュアアカウントを作成する
• 手順②：応募資格の有無を確認して該当年度のワーホリへ申し込み始める
• 手順③：eServiceの登録を行う
• 手順④：受付完了のメールがカナダ移民局から届く
• 手順⑤：必要書類作成を行う
• 手順⑥：招待レターが届いたら自分のアカウントにログイン
• 手順⑦：ワークパーミット申請のeService登録を行う
• 手順⑧：費用の支払いを済ませる
• （生体認証指示書が届いたら）指紋を登録する
• （ビザ許可証が届いたら）ワーホリの申請が完了する

手順①：IRCCセキュアアカウントを作成する

IECの申請は、オンラインで行います。まずはIRCCセキュアアカウントを作成します。

IRCCセキュアアカウントとは、カナダの移民・難民・市民権省（IRCC）のサービスを利用するために必要なアカウントのことです。

IRCCセキュアアカウントは作成せずIECを申請する方法もありますが、登録をしておいた方が後々の入力を避けられるため便利です。IRCCセキュアアカウントの作成方法は以下の通りです。

1. IRCCセキュアアカウント作成のページにアクセスする
2. 「Register for an account」をクリックする
3. 「Option 1: GCKey username and password」の下にある「Register with a GCKey username and password」をクリックする
4. 「Sign Up」をクリックし、規約に「I accept」で同意する
5. 画面の指示に従い、ユーザー名やパスワード、メールアドレスなどの設定をする
6. 2段階認証の設定をし、リカバリーコードを受け取る
7. 規約に「I accept」で同意し、必要事項を入力する

IRCCセキュアアカウントはさまざまな手続きにも使えるため、作成しておくことをおすすめします。

手順②：応募資格の有無を確認して該当年度のワーホリへ申し込み始める

IRCCセキュアアカウントを作成したら、次は応募資格の有無を確認します。

International Experience Canada: Create a profileの公式HPにアクセス後、IRCCセキュアアカウントにサインインしアンケートに回答してください。

「International Experience Canada」を選択し、応募資格の有無を確認します。確認すべき項目は以下の通りです。

• 市民権（国籍）のある国
• 永住国
• 居住国
• 学歴（該当する場合）
• 採用通知（該当する場合）
• IEC認定組織からの確認書（該当する場合）

応募資格の有無を確認し問題がなければ、該当年度のワーホリへの申し込みを始めましょう。

手順③：eServiceの登録を行う

eServiceの登録を行う手順を解説します。

IEC申請後、eService画面に移行し、以下の情報を順番に入力します。

• Personal Details of applicant（氏名・生年月日・出生地の申請者の個人情報）
• Contact information（メールアドレス・電話番号・住所）
• Work and education details（職歴・学歴の詳細）
• Application Details（カナダでの予定や希望するビザの種類などの応募内容）

上記の入力が完了したら「I agree」にチェックを入れ電子署名を行い、最後に「Transmit」ボタンを押して申請完了です。

手順④：受付完了のメールがカナダ移民局から届く

eServiceでの申請後、しばらくするとカナダ移民局から受付完了のメールが届くので、アカウントにログインして確認しましょう。

カナダ移民局の公式HPにある「Sign in with GCKey」で自分のアカウント情報を入力して、メールが届いているかを確認してください。

ログインすると自分のアカウントのトップ画面に、「International Experience Canada」が追加されています。「Check full application status」をクリックすると、申請状況を確認できます。

間違えて「Withdraw Profiles」を押してしまうと、申請がキャンセルされるので注意しましょう。

手順⑤：必要書類作成を行う

カナダのワーホリビザ申請におけるeServiceでの必要書類作成は、以下の通りです。招待レターを受け取った後に行う重要なステップです。

提出時の注意点は、書類すべて英語またはフランス語にて提出しなければいけないことやファイル名は英語で簡潔にしましょう。書類の不備があると、再提出や審査遅延の原因になります。

手順⑥：招待レターが届いたら自分のアカウントにログイン

登録したメールアドレス宛に、カナダ移民局から招待レター（invitation to Apply）が届いたら、自分のアカウントにログインして申請を進めましょう。

招待レター受信後のログイン申請手順は以下の通りです。

1. IRCC公式HPにアクセスし、GCKeyまたはSign in Partnerでログイン
2. ログイン後、トップページに「You have a new message」と通知が表示されているので「IEC Invitation to Apply Letter」をクリックして内容を確認しダウンロード

手順⑦：ワークパーミット申請のeService登録を行う

招待レターの内容を確認したら「Start application」または「Continue application」をクリックして、ワークパーミット申請を開始します。以下4項目の画面が表示されます。

1. Personal details of applicant（申請者の個人情報）
2. Contact information（連絡先）
3. Work and education details（仕事と学歴の詳細）
4. Application Details（応募内容）

最後に「I agree」にチェックを入れ、電子署名をして「Transmit（送信）」をクリックしたら申請完了です。

注意点は2つあります。1つ目は、招待レターを10日以内に申請する点です。2つ目は、申請完了するには20日以内に必要書類をすべて提出する必要がある点です。

手順⑧：費用の支払いを済ませる

申請関係費用の支払い手順は以下の通りです。

1. 支払い内容を確認し、「Transmit and Pay」をクリックすると支払い画面に移動
2. クレジットカード情報を入力
3. 「Transaction Approved」と表示されれば完了

※利用可能なカードは、VISA・MasterCard・American Express・JCBです。

アカウントトップページに戻り、申請状況が「Submitted」になっているかを確認しましょう。申請後に「Submission Confirmation」レターがアップロードされます。

（生体認証指示書が届いたら）指紋を登録する

申請後、Biometric Instruction Letter（BIL/生体認証指示書）が届く場合があります。

メッセージが届いたら、30日以内に指紋を提出しなければなりません。届いた案内には指紋を登録できる場所などが記されているため、すぐに予約をしましょう。

予約後、予約確認書が届きます。当日は持参する必要があるため、プリントアウトしておいてください。

プリントアウトした予約確認書、Biometric Instruction Letter（BIL/生体認証指示書）、パスポート（原本）を持参し、予約した場所で指紋の登録を完了してください。

（ビザ許可証が届いたら）ワーホリの申請が完了する

指紋の登録後、カナダ移民局による審査が行われます。審査に通ると、入国港紹介状（POE）というビザ許可証が届きます。

ビザ許可証は入国時に必要なため、プリントアウトしておきましょう。ビザ許可証（POE）が届いたら、ワーホリの申請が完了します。

カナダのワーホリビザの許可が下りるまでの期間はどれくらいかかる？

カナダのワーホリビザを申請してから許可が下りるまで、2025年度の場合は5～8週間ほどかかります。

以下の事項は、ワーホリビザの許可が下りてから手続きする必要があります。

• 航空券の購入
• カナダ滞在中の健康保険への加入
• 宿泊地の予約

他にも、さまざまな手続きがあり時間もかかるため、計画的にワーホリビザの申請をしておきましょう。

カナダのワーキングホリデーで必要な持ち物に関する詳しい情報を見る

参考：International Experience Canada: After you apply

カナダのワーホリビザの申請費用はいくら？

2025年現在、カナダのワーホリビザ（IEC）申請にかかる費用は以下の通りです。

※1加ドル＝106円で換算（2025年6月時点）

ワーホリビザはカナダ政府へ申請するため、金額は加ドルで提示されます。バイオメトリクス（生体認証）登録が不要な場合は、279.75加ドル（約30,000円）が目安です。

この費用とは別に、入国時に最低2,500加ドル（約265,000円）の資金証明や海外保険加入なども必要になります。申請はすべてオンラインで完結します。

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カナダのワーホリビザを自分で申請する際の注意点

カナダのワーホリビザを申請する際、注意するべきことは以下7点です。

1. 申請はすべて英語で記入する必要がある
2. 記入漏れやミスがあるとビザの発行ができない場合もある
3. 発行枚数の上限がある
4. パスポートの期限までの残り日数は十分かを確認する
5. 警察証明書・健康診断書が提出できない場合は発行依頼・予約をした旨で代替できる
6. 招待状の受理やプロフィールの入力など各段階で期限がある
7. 招待が来なくても再応募できるが入力情報は60日しか保持されない

順番に詳しく解説します。

申請はすべて英語で記入する必要がある

カナダのワーホリビザを自分で申請する場合、申請フォームや履歴書、家族情報フォーム（IMM5707）などすべて英語で記入します。

誤訳や記入ミスは審査遅延の原因になるため、正確な表現と文法に注意が必要です。

翻訳ツールやテンプレートを活用しながら、意味が正しく伝わるように記入しましょう。英語力に不安がある方は、添削サポートを利用することもおすすめです。

記入漏れやミスがあるとビザの発行ができない場合もある

カナダのワーホリビザは、申請する際に記入漏れやミスがあると発行できない場合もあります。

名前のスペルやパスポート番号、日付などの入力ミスは審査遅延や却下の対象になります。とくにバックグラウンド質問（犯罪歴や健康状態など）は正確に答えましょう。

ビザの申請に不備がある場合や申請されなかった場合はメッセージが届くので、もしメッセージが届いたら内容を確認し、不備を直す必要があります。

発行枚数の上限がある

カナダのワーホリビザには、年間で発行される枚数の上限があります。

日本国籍者向けの年間発給枠は、例年6,500～6,750名程度に設定されており、先着順ではなく抽選制です。

IECプールに登録した方の中からランダムに招待レターが送られます。発給数が埋まると、その年の申請は締め切りとなり、次の年まで待つ必要があります。

パスポートの期限までの残り日数は十分かを確認する

パスポートの期限までの残り日数を必ず確認しておきましょう。

パスポートの期限が希望するビザの申請期間に満たしていない場合、パスポートの期限にあわせてビザが発行されます。

例えば、入国時にパスポートの残り日数が8ヶ月であった場合、申請したい期間は1年間であってもパスポートの期限にあわせてビザも8ヶ月で発行されます。

そのため、事前にパスポートの期限までの残り日数が希望するビザの申請期間に対して十分であるかを確認しましょう。

期間が足りない場合は、事前にパスポートの更新を済ませてからビザの申請をしてください。

警察証明書・健康診断書が提出できない場合は発行依頼・予約をした旨で代替できる

労働許可申請書を提出するまでに、警察証明書や健康診断書を取得し提出する必要があります。

しかし、警察証明書の発行にはかなりの時間がかかったり、健康診断書においても病院を予約し健康診断を受ける必要があったりと提出が間に合わないこともあります。

万が一警察証明書や健康診断書の提出が間に合わない場合は、警察証明書の発行依頼をした、または健康診断の予約をした旨での代替が可能なため、覚えておきましょう。

招待状の受理やプロフィールの入力など各段階で期限がある

招待状が届いた後は、期限内に手続きを済ませていかなければなりません。各段階の期限については以下の通りです。

期限が過ぎてしまうと次のステップに進めず手続きがやり直しになるため、各段階の期限を確認して期限内に手続きを完了させましょう。

招待が来なくても再応募できるが入力情報は60日しか保持されない

カナダのワーホリビザは、事前に登録をした応募者の中から何度かに分けて限られた人数に招待状が送られる仕組みです。

そのため、招待状が来ないとワーホリビザは取得できないことになります。しかし、招待状が来なくても諦める必要はありません。

再応募や複数の労働許可証のカテゴリへの応募ができるため諦めず応募し続けましょう。一度入力した情報は保持されますが、60日の期限がある点には注意です。

ワーキングホリデーでの就労許可を得てから別のビザで入国するのはNG

ワーホリでの就労許可を得てビザを取得した場合は、そのビザで入国するようにしましょう。

ワーホリでの許可を得たうえで、学生ビザや観光ビザなど別のビザで入国するのはNGです。別のビザで入国を試みた方には、審査時に問題になったケースがあります。

ビザの併用などをお考えの場合は、一度カナダの留学エージェント・タビケン留学にご相談ください。

カナダのワーホリに関してよくある質問

カナダのワーホリビザの申請する際によくある質問をまとめました。

• カナダのワーホリビザの申請には残高証明はいらない？
• 招待を辞退すると今後の許可を得にくくなる？
• 許可が否認された・辞退した際は料金の払い戻しはある？
• カナダ滞在中や日本以外での海外からでも申請できる？

上記4つの質問に答えていきます。

カナダのワーホリビザの申請には残高証明はいらない？

カナダのワーホリビザの申請には、残高証明が必要です。

ビザ申請日より、1ヶ月以内に発行された2,500加ドル以上（約275,000円）の残高証明が必要になります。

残高が2,500加ドル以上（約275,000円）ある口座の金融機関で、金額を加ドルに換算し英文の残高証明書を発行してもらいましょう。

もし加ドルに換算してもらえない場合は、日本円の表記のままでも構いません。

※1加ドル＝106円で換算（2025年6月時点）

招待を辞退すると今後の許可を得にくくなる？

招待を辞退しても今後の許可には影響しません。

登録した情報も期限内（60日以内）であれば保持されるため、再応募も可能です。

許可が否認された・辞退した際は料金の払い戻しはある？

許可が否認された・辞退された際は、料金の払い戻しがあります。

入国港紹介状（POE）が発行される前に許可を辞退した場合、許可証を提出する前に雇用が辞退された場合、許可申請が否認された場合など、支払い金額が払い戻されることがあるのです。

返金は、許可が否認されたり辞退したりしてから8週間以内に行われます。料金の支払いに使用したクレジットカードへ返金されます。

参考：International Experience Canada: How to apply

カナダ滞在中や日本以外での海外からでも申請できる？

カナダ滞在中や日本以外の海外からでも申請できた事例はありますが、確約はできません。

実際に、カナダ滞在中に観光・学生ビザをオンラインで申請して許可を取得し、国境まで行ってビザを切り替えた事例もあります。

しかし、あくまで事例であり、今後の申請について確約できるものではありません。

また、ビザの申請には多くの手続きや書類が必要であり慎重に行わなければならないため、着実に進めるなら入国前に行いましょう。

カナダのワーホリビザ（IEC）を自分で申請して現地での仕事を楽しもう

今回は、カナダのワーホリビザ（IEC）の申請方法や申請の流れを紹介しました。

カナダでのワーホリは、普通のビザではなく就労許可であるワーホリビザ（IEC）が必要です。

また、カナダのワーホリビザは招待制であり、招待状が来るとワーホリビザを取得できる仕組みです。手続きの各段階にも期限があったり、書類の準備に時間がかかったりするので早めに準備しましょう。

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この記事を監修した人

諸澤 良幸

株式会社Morrow World 代表取締役社長

日本内閣府認定 NPO留学協会 RCA海外留学アドバイザー
オーストラリア政府認定PIER QEAC留学コンサルタント資格保有
JAOS 一般社団法人海外留学協議会 加盟

4年制大学法学部を卒業後大手レジャー企業に就職。複数の新規店舗立ち上げや人事業に従事した後、退社し26歳で単身海外留学。海外での英語学習と海外現地企業での管理職経験を経て2015年に株式会社Morrow Worldを設立し留学エージェントサービスを提供開始。2024年時点で9年以上留学エージェントを運営しており、「サポート無料留学エージェント」や「2カ国留学」の先駆けとして留学サポートを提供。
2020年6月にはオンラインに特化した英語コーチングサービスENGLEADを開始、2023年からは学研教室オーストラリアのFC本部の運営会社の代表取締役にも就任。
現在世界8カ国、約100名のスタッフと共に、世界で羽ばたく子どもから大人に向けて幅広く教育関連サービスを提供している。