カナダで永住権を目指す場合、「永住権の取得につながりやすい職業」を正しく理解することが重要です。

カナダには職業ごとにビザや永住申請の条件が異なる制度があり、進学先・就職先の選び方によって将来の可能性が大きく変わります。

本記事では、カナダ永住権と関連の深い「職業リスト（NOC）」の種類や対象職種、永住に有利な業界・学歴の選び方について詳しく解説します。タビケン留学のサポート内容もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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カナダの永住権に関わる職業リストの種類

カナダで永住権（Permanent Residency）を取得するためには、職業の選定が重要な要素となります。申請時に参照される職業リストは複数存在し、それぞれが異なるビザカテゴリや制度に基づいて構成されています。

ここでは、主に3種類の職業リスト「NOC」「Express Entry」「PNP（州提名プログラム）」について紹介します。

【NOC】National Occupation Classification（職業分類）

NOC（National Occupation Classification）は、カナダ全土で共通して使われる職業分類システムです。

永住権申請時は、NOCコードに基づいて職業が分類され、適格性の判断材料となります。職種ごとに業務内容やスキルレベル（TEER 0～5）が定義されており、移民申請では主にTEER 0〜3の職種が対象とされます。

2025年時点では最新のNOC分類がVersion 2021のため、こちらに自身の職歴が該当するかを事前に確認しておくことが重要です。

参考：National Occupation Classification (NOC)

【Express Entry】で利用される対象職種群（TEER 0, 1, 2, 3）

Express Entryは、カナダの主要な移民プログラムの一つで、職業や学歴・年齢などを点数化し、一定のスコアを満たす申請者に優先的に永住権取得の機会を提供します。これにより、先着順ではなくカナダでの成功の可能性が高い個人が優先的に審査される点が特徴です。

この制度では、NOC分類のうちTEER 0〜3の職種に従事していることが前提となります。これにより、マネージャー職や専門職、技術職といった中〜高スキル人材が主な対象となり、移民政策の即戦力として重視されています。

参考までに、2025年にカナダ移民局が発表したターゲットドローイング（抽選）カテゴリーは以下の6つです。

• フランス語能力が高い人（リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングでNCLC7以上）
• ヘルスケアおよび社会福祉分野従事者
• 科学、技術、工学、数学（STEM）分野の専門職従事者
• 職人系技能職従事者
• 農業・農産食品業従事者
• 教育職従事者（新規追加）

参考：Immigrate through Express Entry 

カナダの永住権を取りやすい最新職業リスト

カナダでは人手不足分野への移民促進を目的に、永住権の取得を優遇する「対象職業リスト（NOC）」を定期的に更新しています。

特に各州のPNP（州推薦プログラム）や連邦のExpress Entryでは、医療・IT・建設・保育などの分野で経験や資格を持つ申請者に対して、永住権の審査を優遇する制度が用意されています。

自分の職種が対象となっているかを事前に確認し、計画的にキャリア設計を行うことが重要です。

ヘルスケア系（看護師・医療技術者など）

ヘルスケア分野は永住権を取得しやすい代表的な職種群です。

主な対象には、正看護師（Registered Nurse）、介護福祉士（Nurse Aide）、医療放射線技師、臨床検査技師などが含まれます。

これらの職種は、資格の書き換えや州ごとのライセンス取得が必要になることもありますが、就職先が見つかれば永住権取得ルートとして期待が持てます。特に地方州では、より高い優遇を受けられることもあります。

参考：Family Doctor・Dentist・Pharmacist・Dental Hygienist・Licensed Practical Nurse

IT・テクノロジー系エンジニア（ソフトウェア・電気・サイバーセキュリティなど）

カナダは近年、テクノロジー分野の移民誘致を強化しており、IT系エンジニアは永住権取得がしやすい職種とされています。

該当する職種は、ソフトウェアエンジニア（NOC 21232）、データサイエンティスト、サイバーセキュリティスペシャリスト、電気・電子エンジニアなど多岐にわたります。

これらの分野では、カレッジ卒業やCo-opインターン経験を活かして就労ビザを取得し、数年の実務経験後に永住権を申請するケースが多く見られます。需要が高く求人も多いため、特に都市部での就労機会も多くあります。

技術職・貿易職（電気・配管・溶接など）

カナダの永住権申請で優遇される職業の中でも、技術職・貿易職は極めて需要が高い分野です。電気技師（Electrician）、配管工（Plumber）、溶接工（Welder）などは、住宅やインフラの開発を支える重要な職種として、州政府や連邦政府の移民政策でも特に支援を受けています。

これらの職種はNOCリストにも明記されており、特定州のPNP（州推薦プログラム）では早期永住権取得が可能なケースもあります。

実務経験や学歴だけでなく、州ごとの資格制度や技能試験への対応も必要ですが、技能系人材としての価値は非常に高く、職歴を活かした移民を検討する方に適したルートです。

教育・保育系（幼児教育・教員など）

教育・保育関連の職種もカナダの永住権取得において高く評価されています。

とくに、Early Childhood Educator（幼児教育者）や小・中学校の教員は、地域によっては人材不足が顕著なため、PNPやExpress Entryの対象職種に指定されやすいです。

これらの職種で永住権申請を目指す場合、カナダ国内での教育学位取得や州ごとのライセンス取得が求められますが、就職先が確保できれば安定した永住ルートとなります。

また、教育・保育職はコミュニティ貢献度が高く、審査時の印象や評価にも好影響を与える可能性があります。

参考：Teacher

建設・スキル職（大工・塗装・重機整備など）

建設業界におけるスキル職は、カナダの永住権取得に直結する職業として注目されています。特に、大工（Carpenter）、塗装工（Painter）、重機メカニック（Heavy Duty Equipment Technician）などは、住宅供給不足やインフラ整備の加速により各地で高い需要があります。

これらの職種は、大学や職業訓練校での技術取得後にCo-opなどを通じて実務経験を積み、就労ビザから永住権へつなげるパターンが一般的です。

多くの州では建設関連職に特化したPNP枠があり、現場経験とスキルを証明できれば、比較的スムーズに永住権申請が可能となります。

参考：Construction

農業・食品加工系（食肉処理・農場監督など）

カナダの永住権申請において、農業や食品加工に関する職種も高く評価されています。

特に、食肉処理業者（Meat Cutter, Industrial Butcher）や農場マネージャー（Farm Supervisor）は、地方都市や農業地帯で深刻な人材不足が続いていることから、州政府による移民誘致の対象職種に指定されています。

これらの職種は、現地での就労経験や雇用主からのサポートレターが重要な評価ポイントとなり、州推薦プログラム（PNP）を通じた永住権取得につながるルートが整備されています。

また、農業系学位や関連する業界での実務経験がある場合、申請時に有利にはたらくことが多く、地方志向のある留学生・求職者にとって魅力的な移民手段です。

管理職・専門職（会計士・ビジネス管理・政府職など）

会計士（Chartered Professional Accountant）、ビジネス管理者、公共サービス職などの管理職・専門職は、カナダで永住権の獲得しやすい職種とされます。

これらの職種では、専門的な資格保有やカナダ国内の実務経験が評価基準となり、特にCPAなどの公的認定資格があると高ポイントにつながります。

Express EntryのCRSスコアを高めるうえでも有利であり、企業内昇進や雇用主からのサポートがあれば、就労ビザから永住権への移行も比較的スムーズです。中長期的にカナダでのキャリア形成を目指す方にとって、これらの職業は永住権取得の有力な選択肢のひとつです。

関連記事：カナダのワーキングホリデーに人気な主要都市

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カナダの永住権取得が見込める職業に就くための方法

カナダで永住権取得を目指すには、移民制度に強い職種に就くことが重要です。

特にNOC対象職種を意識し、就学・就労・移民の各段階で一貫した戦略を立てることが求められます。

永住権に強い職業「NOC TEER 0〜3」の中で需要が高い職種を狙う

TEER 0〜3に分類される職種は、Express Entryや各州のPNPなど多くの移民プログラムで対象となります。

なかでも需要の高いヘルスケア・建設・IT系職種は、カナダ政府からも移民候補として優遇されています。こうした分野を選ぶことで、永住申請時の加点や選考優位につながります。

カレッジ・大学に進学してPost-Graduation Work Permit（PGWP）を取得

カナダにて対象となる教育機関の課程を修了すると、PGWPを取得できる可能性があります。

この就労ビザを活用し、実務経験を積むことで永住権申請に必要な要件を満たすことができます。職業リストに該当する分野で学ぶことが、永住権取得への近道となります。

参考：Work in Canada after you graduate: About the post-graduation work permit (PGWP) – Canada.ca

永住に直結しやすい制度との連動を目指す

Express EntryやPNP（州推薦プログラム）は、特定の職業や地域を対象にした優遇制度を設けています。

カレッジ卒業後に特定の州での就職を狙うことで、永住申請のハードルが下がるケースもあります。将来的な永住権取得を見据えて、制度の連動性を理解し進路を選ぶことが重要です。

関連記事：カナダ留学のメリット・デメリット

カナダの永住権の取得と職業選びに関する注意点

カナダで永住権を取得するためには、職業リスト（Skilled Occupation List）に記載されている職業に就くことが重要です。

このリストに該当する職業は、Express EntryやPNP（州推薦プログラム）など、カナダの永住権取得プログラムで優遇されるため、職業選びが大きなポイントとなります。

また、職業リストに載っている職種でも、ビザや申請方法によって条件が異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが求められます。

同じ職業でもビザごとに求められる条件が異なる

職業リストに該当する職業でも、ビザの種類によって求められる条件は異なります。

例えば、Express Entryでは、年齢や学歴、職歴、英語力などが総合的に評価されますが、Provincial Nominee Program（PNP）では、各州ごとの需要や基準に基づいた追加条件が課されることもあります。

そのため、同じ職業でもビザの種類によって申請条件が変わるため、どのビザに申し込むかを選ぶ際に、詳細を調べることが非常に重要です。

学歴や留学先の選択で将来のビザ可能性が変わる

カナダの永住権取得において、学歴や留学先の選択が大きな影響を与えることがあります。

カナダの教育機関で学んだ学位やカナダ国内での就労経験は、永住権申請時に評価される要素となります。

例えば、カナダ国内の大学や専門学校で取得した学位は、Post-Graduation Work Permit（PGWP）を取得するための条件となり、就労ビザから永住権申請へのステップを有利に進めることができます。

留学先や学歴選びが、将来のビザ申請に大きく影響するため、慎重に選ぶことが必要です。

カナダで就きたい職業が職業リストにない場合

もし、カナダで目指す職業が職業リストに含まれていない場合は、別のビザプログラムや、一時的な就労ビザを利用してカナダでの職務経験を積む方法もあります。

例えば、ワーキングホリデーを利用してカナダでの職歴を積んだ後、別の移民プログラムで永住権申請を目指すことが可能です。（ワーホリ抽選倍率はこちら）

それでも、職業リストに該当する分野であれば、申請時に優遇されるため、現地での状況や政府の移民政策に応じた柔軟な対応が必要です。

関連記事：オーストラリアの永住権を取りやすい最新職業リスト

カナダでの永住権取得を目指すならタビケン留学へご相談ください

カナダでの永住権取得を目指す際、最も重要なのが需要職種への就業です。看護・IT・教育・建設分野など、永住に強い職業は限定されており、進学先・就職先の選定が将来に大きく影響します。

タビケン留学では、最新の職業リストやビザ要件をふまえたカレッジ・大学選びをサポートしており、Co-op（有給インターン）やPGWP（就労ビザ）を見据えたプラン提案が可能です。

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この記事を監修した人

諸澤 良幸

株式会社Morrow World 代表取締役社長

日本内閣府認定 NPO留学協会 RCA海外留学アドバイザー
オーストラリア政府認定PIER QEAC留学コンサルタント資格保有
JAOS 一般社団法人海外留学協議会 加盟

4年制大学法学部を卒業後大手レジャー企業に就職。複数の新規店舗立ち上げや人事業に従事した後、退社し26歳で単身海外留学。海外での英語学習と海外現地企業での管理職経験を経て2015年に株式会社Morrow Worldを設立し留学エージェントサービスを提供開始。2024年時点で9年以上留学エージェントを運営しており、「サポート無料留学エージェント」や「2カ国留学」の先駆けとして留学サポートを提供。
2020年6月にはオンラインに特化した英語コーチングサービスENGLEADを開始、2023年からは学研教室オーストラリアのFC本部の運営会社の代表取締役にも就任。
現在世界8カ国、約100名のスタッフと共に、世界で羽ばたく子どもから大人に向けて幅広く教育関連サービスを提供している。