英語の音読教材はどう選ぶ?レベル別のおすすめと無料で使える素材
音読の教材を選ぶ際に、教材の種類の多さに迷ってしまうことは少なくありません。
効果を実感するには、レベル・音声とスクリプトの有無・素材の長さという3つの条件で選ぶことが重要です。
この記事では、市販の音読教材をレベル別に整理し、無料で使える素材と、教材を決めたあとの進め方もあわせて解説します。
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音読の教材選びで最初に決める3つの条件
音読用の教材は数多く出版されていますが、選ぶ基準はシンプルです。
次の3つの条件を満たしているかどうかで、市販教材でも無料素材でも十分に効果を引き出せます。
辞書なしで8〜9割意味が取れるレベルを選ぶ
音読を続けているのに英語力が伸びている実感がないという方も多いのではないでしょうか。
原因の多くは、教材の難易度が実力に合っていないことにあります。
辞書を引かないと意味が取れない英文を繰り返し声に出しても、意味と音を結びつける練習にはならず、単なる文字の読み上げになりがちです。
教材を選ぶ際は、まず辞書なしでストレスなく内容を理解できるレベルかどうかを確認しましょう。目安として8〜9割の英文がすっと頭に入るかどうかで判断すると選びやすくなります。
スクリプトと音声がそろっている教材を選ぶ
音読は声に出す練習である以上、正しい発音やリズムの手本が欠かせません。
スクリプト(文字原稿)だけの教材では、自己流の発音やアクセントがそのまま固定されてしまうおそれがあります。
音声だけの教材も、聞き取れない部分をその場で確認できず、理解が曖昧なまま進んでしまいがちです。文字と音声の両方がそろった教材であれば、意味・発音・リズムを同時に確認しながら練習できます。
教材を比較する際は、音声の有無だけでなくスクリプトが同梱されているかも必ず確認してください。公式ページに音声の提供形式が書かれていない教材は、音声を確認できるまで第一候補にしないほうが良いでしょう。
1本を何度も繰り返せる長さを選ぶ
長文の教材ほど内容が充実していると考える方もいるでしょう。
しかし音読は同じ素材を繰り返すことで効果が定着する練習方法です。1本が長すぎると、最後まで読み切るだけで時間がかかり、繰り返す回数を確保しにくくなります。
数分程度で読み切れる長さの素材から始めると、無理なく反復できます。教材を選ぶときは、収録されている1本あたりの長さにも目を通しておきましょう。
レベル別に見る市販の音読教材
音読用の市販教材は、レベルや目的によって向き不向きが分かれます。
ここでは、公式サイトで確認できる情報をもとに4つのパターンに分けて紹介するので、参考にしてください。
レベル・目的別に整理すると、主に次の4つに分かれます。
- 中学英語からやり直したい方向けの教材
- 初級から中級へ段階的に進みたい方向けの教材
- 話す力に直結させたい方向けの教材
- 渡航先で話す話題を仕込みたい方向けの教材
| 書名 | 著者 | 出版社 | 音声 | 対象レベル |
|---|---|---|---|---|
| 1分間英語音読 | 大岩秀樹 | ダイヤモンド社 | CD付(音声ダウンロードにも対応) | 中学英語 |
| 英会話・ぜったい・音読 標準編 CDブック | 國弘正雄 | 講談社(旧・講談社インターナショナル) | CD付(CDブック) | 中学英語(中学3年生の教科書から12レッスンを厳選) |
| [音声DL付改訂版]みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング 初級レベル | 森沢洋介 | ベレ出版 | 音声ダウンロード版 | 中学英語 |
| NEWぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング 中級レベル CD BOOK | 森沢洋介 | ベレ出版 | CD2枚(MP3ダウンロードにも対応) | 高校英語 |
| ビジネス英語パワー音読トレーニング | 横山カズ | Gakken(学研) | 公式ページに記載がないため要確認 | レベル表記なし(TOEICのスコアはあるが話せない層を想定) |
| すごい英語音読 | 牧野智一 | SBクリエイティブ | 公式ページに記載がないため要確認 | レベル表記なし |
| 音読JAPAN[改訂版]英語でニッポンを語ろう! | 浦島久 | IBCパブリッシング | 音声無料ダウンロード | レベル表記なし |
| 1日10分「英語回路」育成計画:超音読レッスン「感動編」[新装版] | 鹿野晴夫(著)、川島隆太(監修) | IBCパブリッシング | CD付(1枚) | レベル表記なし |
出典:ベレ出版「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング 初級レベル」、ベレ出版「NEWぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング 中級レベル」、Gakken「ビジネス英語パワー音読トレーニング」、SBクリエイティブ「すごい英語音読」、IBCパブリッシング「超音読レッスン「感動編」[新装版]」、講談社「英会話・ぜったい・音読 標準編」、IBCパブリッシング「音読JAPAN[改訂版]」、ダイヤモンド社「1分間英語音読」(2026年9月確認)
中学英語からやり直す
中学レベルの英文で基礎から音読を始めたい場合は、「1分間英語音読」や「英会話・ぜったい・音読 標準編 CDブック」がおすすめです。
どちらも中学英語の範囲を素材にしており、辞書なしで読める段階から始めやすい構成です。
2冊の違いは、1回に読む量と進み方の単位です。
「1分間英語音読」は1日1本の音読を56日分積み上げる構成で、通勤や通学のすき間時間に1本ずつ進めたい場合に向いています。
「英会話・ぜったい・音読 標準編 CDブック」は中学3年生向けの教科書から12レッスンを厳選した構成のため、1レッスンずつ腰を据えて取り組みたい場合に合うでしょう。
なお後者は発行元だった講談社インターナショナルの解散にともない、現在は講談社が書誌と販売を引き継いでいます。
初級から中級へ積み上げる
段階を踏んで実力を上げたい場合は、「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング 初級レベル」から始め、修了後に「NEWぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング 中級レベル」へ進む組み合わせが良いでしょう。
書名は異なりますが、中級レベルは初級レベルを終えた学習者が次に進む教材として位置づけられています。書店で探すときは書名が変わる点だけ覚えておきましょう。
初級レベルは中学レベルの英文で語彙も制限されており、中級レベルは高校英語レベルの内容に切り替わります。
初級の改訂版は音声ダウンロード形式、中級のCD BOOKはCD2枚・MP3ダウンロードの両方に対応しており、どちらも音声とスクリプトがそろっているのが特徴です。
話す力に直結させたい
読む力だけでなく話す力を重視したい場合は、「ビジネス英語パワー音読トレーニング」と「すごい英語音読」がおすすめです。
前者はTOEICのスコアは高いものの話せないという課題を持つ層を想定した教材です。
ただし、この2冊はどちらも公式ページに音声の提供形式が明記されていません。
そのため、前述の条件2に照らすと、音声を確認できるまでは第一候補になりません。書店で中身を確認できる場合は、音声の有無を確かめたうえで判断すると良いでしょう。
確認できない場合は、高校英語レベルの英文を辞書なしで読解できることを前提に、音声形式が明記されている「NEWぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング 中級レベル CD BOOK」を用いて読む量を確保し、話す練習については後述の組み合わせ学習で補うという方法も考えられます。
なお「すごい英語音読」は対象レベルも公式ページに記載がないため、英文の難易度は試し読みで確認しておきましょう。
渡航先で話す話題を仕込む
海外で自分の国や文化について話す場面に備えたい場合は、「音読JAPAN[改訂版]英語でニッポンを語ろう!」が候補に挙げられます。
日本の文化や社会の話題を英語で扱う構成で、出版社は受験や各種英語試験のスピーキング対策にも向くと案内しています。
音声は無料でダウンロードでき、スクリプトとあわせて練習できます。対象レベルの表記は公式ページにないため、英文の難易度は目次や試し読みで確かめておきましょう。
読む題材を自分の好みで選びたい場合は、「1日10分『英語回路』育成計画:超音読レッスン」のシリーズもおすすめです。
このシリーズは単一の書名ではなく、「感動編」など複数の編が刊行されています。編ごとに題材が変わるため、書名の末尾にある編名まで確認して選びましょう。
音読と並行して単語や文法の土台も固めたい場合は、英単語帳・文法参考書・リスニングアプリの選び方もあわせて参考にしてください。
無料で使える音読素材と向き不向き
書籍を購入せずに音読を始めたい場合は、スクリプトと音声がそろった公式の学習サイトも選択肢になります。
有料と無料のどちらを選ぶかは、レベル選びを教材に任せるか、自分で行うかで決まります。
市販教材は対象レベルと進む順番が最初から決められているため、何から手を付けるか迷わず進められます。一方、無料素材はレベルの見極めと素材選びを自分で行う代わりに、費用をかけずに始められます。
まず無料素材で音読を数日試し、続きそうなら市販教材に切り替える進め方でも良いでしょう。
次に無料で使える素材を3つ紹介し、最後に注意点をまとめます。
- VOA Learning English(レベル表記とスクリプトがそろう)
- British Council LearnEnglish(CEFR表記のリスニング教材)
- American English(米国国務省の学習リソース集)
VOA Learning English
アメリカの国際放送局が運営するVOA Learning Englishでは、ニュースやポッドキャスト番組の原稿と音声がセットで公開されています。
Beginning・Intermediate・Advancedの3段階に加え、さらに細かいレベル表記もあり、実力に近い素材を選びやすくなっています。
登録は不要で、費用もかかりません。ニュースレターの登録は任意で、素材の利用自体には影響しません。
British Council LearnEnglish
英語教育を支援する英国の公的機関、ブリティッシュ・カウンシルが提供するLearnEnglishのリスニング教材では、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に沿ってA1からC1までのレベルが示されています。
教材ごとにスクリプトの有無が異なるため、音読に使う場合は原稿が用意されているかを個別に確認してください。
視聴自体は会員登録なしで利用でき、登録が必要になるのは「お気に入り」機能を使う場合に限られます。
American English
アメリカ国務省が公開するAmerican Englishの学習リソース集は、動画・音声・テキストを組み合わせた無料の教材です。
個別の教材によってレベル表記があるものとないものが混在しているため、内容を確認しながら選ぶことになります。
利用に登録は不要です。「My Resource List」のような一部機能を使う場合のみ、アカウント作成が必要になる場合があります。
無料素材でつまずきやすい点
無料素材を使う際は、レベルの見極めを自分で行う必要がある点に注意しましょう。
市販の書籍と違い、対象レベルが一つに絞られているわけではありません。興味だけで選ぶと、辞書なしでは理解できない素材を選んでしまうことも少なくありません。
スクリプトが用意されていない動画や音声を選んでしまうと、聞き取れない部分をその場で確認できず、発音の癖がついたまま固定されてしまう可能性もあります。
素材を選ぶ際は、最初に挙げた3つの条件に戻って確認すると素材のミスマッチを避けやすくなります。
教材を決めたあとの進め方
教材が決まったら、あとは使い方です。
ここでは音読の繰り返し方、教材を替えるタイミング、音読と組み合わせたい学習方法を順に見ていきます。
同じ素材を繰り返す
音読は1回読んで終わる練習ではありません。同じ素材を繰り返すことで身についていきます。
教材によっては推奨する回数が明記されている場合もあるため、その場合は教材の推奨回数を目安に繰り返し音読しましょう。
回数の指定がない教材では、内容がすらすら理解できるようになるまで繰り返すことを目安にしてください。
教材を替えるタイミング
同じ素材を繰り返していると、意味・発音・読むスピードのいずれかが安定してくる時期が訪れます。3つとも安定してきたと感じたら、教材を次のレベルへ進めるタイミングです。
逆に、まだ意味を理解するのに時間がかかる場合は、同じ教材をもう少し続けたほうが土台が固まります。
焦って難易度を引き上げると、当初の条件である「辞書なしで理解できるレベル」を満たさなくなる点に注意が必要です。
音読と組み合わせたい学習方法
音読で読む力と発音の基礎が身についたら、聞く力・話す力を伸ばす学習と組み合わせることで、英語力の伸びしろがさらに広がります。
シャドーイングは、音声を聞きながらわずかに遅れて声に出す練習方法で、リスニングとスピーキングを同時に鍛えられます。
シャドーイングでリスニング・スピーキングも伸ばす方法は、渡航前の英語学習をまとめた記事で詳しく紹介しています。
発音を個別に矯正する練習方法もありますが、まずは音読を続けながら少しずつ意識する程度で十分です。
音読の教材選びに関するよくある質問

音読の教材は何冊必要ですか?
同時に何冊も進める必要はありません。
1冊を繰り返し読み込み、意味・発音・スピードが安定してから次のレベルの教材に切り替える進め方で十分です。
冊数を無理に増やすと、1冊あたりの繰り返し回数が減り、かえって定着しにくくなります。まずは今の実力に合う1冊を選ぶことから始めましょう。
音声がない教材でも音読はできますか?
文字だけの教材でも音読自体は可能ですが、発音やイントネーションの手本がないため、自己流の読み方が固定されるリスクがあります。
可能な範囲で音声付きの教材を選ぶとよいでしょう。
どうしても音声のない教材を使う場合は、辞書アプリの発音機能などで音を確認しながら進めると、自己流の読み方で失敗してしまうのを防ぎやすくなります。
発音に自信がなくても音読を始めていいですか?
発音への自信の有無は、音読を始める条件にはなりません。
音読は声に出しながら意味と音を結びつける練習であり、繰り返すうちに発音も少しずつ整っていきます。
最初から完璧な発音を目指す必要はなく、教材の音声をまねることから始めれば十分です。
留学前に音読をやる意味はありますか?
渡航前に音読で英文を声に出す練習をしておくと、現地で英語を話す際の抵抗感を減らせます。
留学先では読む・聞く・話すを同時に求められる場面が多いため、音読はその準備として有効な手段の一つです。
出発までの期間が短い場合でも、今の実力に合う教材を1冊決めて繰り返すだけで、渡航後の会話への入りやすさは変わってきます。
まとめ
音読の教材選びで迷ったときは、辞書なしで8〜9割意味が取れるレベルか、スクリプトと音声がそろっているか、1本を繰り返せる長さかという3つの条件に立ち返りましょう。
市販教材でも無料素材でも、この3条件を満たしていれば音読の効果を引き出せます。
まずは1冊、または無料素材を1つ選んで、同じ素材を繰り返すところから始めてみてください。
辞書なしで読めるようになったら次のレベルへ進むという目安を設けることで、教材を必要以上に増やさずに継続しやすくなります。
















