ワーホリ（ワーキングホリデー）は、特に渡航して1〜3ヶ月の生活や言語に慣れる期間までは語学学校に通うことをおすすめします。しかし、語学学校の手配にはまとまった金額が必要となりますし、語学学校なしでワーホリを行うことができれば費用を抑えられます。

本記事では語学学校なしでワーホリに行くと抑えられる費用の目安や、語学学校がなかった場合の1年間の生活費を紹介しています。また、筆者の留学経験から、現地での生活費を抑えるポイントや語学学校なしでワーホリを充実させられる人の特徴も紹介していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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語学学校なしでワーホリに行くと費用は抑えられる？

語学学校なしでワーホリに行くと、全体でかかる費用は抑えられます。語学学校にかかる費用は、国にもよりますが月額およそ10〜15万円程度です。仮に語学学校に3ヶ月間通うとすると、総額30〜45万円に加えて、入学金と教材費も合わせて、50〜70万円ほどの金額となります。

語学学校に通わずにワーホリを行うとなると、その分の金額がすべてなくなるため、全体の費用としてはお得です。

また、ワーホリにかかる初期費用をとりあえず抑えたい方は、渡航してすぐは語学学校に通わず、貯金をしてから語学学校を選ぶという選択肢もあります。最初に語学学校に行かないと決めたからといって、滞在中にずっと学校に通えないわけではないため、費用面で心配な方は深く考えすぎないほうがいいかもしれません。

【国別】語学学校なしの場合で1年間のワーホリにかかる費用

語学学校なしでワーホリを行った場合の1年間にかかる費用の目安を、人気の国別にまとめました。

• オーストラリア
• カナダ
• その他人気の国

基本的に語学学校に行く場合は、紹介した費用に加えて月10〜15万円ほどが加算されると認識しておけばよいでしょう。

オーストラリア

オーストラリアでのワーホリ1年間の収支目安を表にしたものが以下となります。

項目	月額	月数	支出合計
家賃 シェアハウス・2人部屋	80,000円	12ヶ月	960,000円
食費	60,000円	12ヶ月	720,000円
現地の交通費	30,000円	12ヶ月	360,000円
雑費 交際費など	45,000円	12ヶ月	540,000円
項目	月額	月数	収入合計
アルバイト収入	400,000円	10ヶ月	4,000,000円
			合計収支
			+1,400,000円

※食費は自炊前提の目安、アルバイト収入は時給25〜30豪ドルで算出

アルバイト収入については、2ヶ月間無収入である前提で計算をしています。なぜなら、渡航して1ヶ月は仕事探しの期間、およびオーストラリアのワーホリでは同じ雇用主のもとでは6ヶ月以上働くことができないことによる間の求職期間を加味しているためです。

余裕をもった計画ではありますが、年間の収支としては140万円の貯金ができる計算となりました。ただし、給与の高い仕事に就けるかどうかは英語力が大きく影響します。そのため、英語力に自信がない人は、収入が下振れる可能性があります。

関連記事：オーストラリアのワーホリの最低費用を期間別に紹介！お金ない人向けの安く抑えるコツと注意点も解説

カナダ

カナダ現地での1年間の収支目安を表にしたものが以下となります。

項目	月額	月数	支出合計
家賃 シェアハウス・2人部屋	120,000円	12ヶ月	1,440,000円
食費	30,000円	12ヶ月	360,000円
現地の交通費	20,000円	12ヶ月	240,000円
雑費 交際費など	45,000円	12ヶ月	540,000円
項目	月額	月数	収入合計
アルバイト収入	300,000円	10ヶ月	3,000,000円
			合計収支
			+420,000円

※食費は自炊前提・アルバイトの時給は17〜20加ドルで算出

カナダはオーストラリアと比較して、最低賃金が日本円換算で約500円異なるため、主に収入面でオーストラリアと差がついています。しかし、カナダではチップ文化があるため接客業に従事をする場合は、上記の金額に加えてチップ収入が見込めます。カナダのチップ金額の目安はサービスや商品の金額に対して15〜20％になるため、単価が高い店でアルバイトをすれば、その分のチップ収入が期待できるでしょう。

関連記事：カナダのワーキングホリデー費用はどのくらい？期間別予算や抑えるコツを紹介

 

【参考】その他の国

その他ワーホリでの人気国での生活費を、大まかに計算したものが下記となります。

• イギリス：収入約350万円／支出約180万円／収支合計＋170万円
• ニュージーランド：収入約350万円／支出約170万円／収支合計＋180万円
• ドイツ：収入約340万円／支出約150万円／収支合計＋190万円

※上記計算には交際費や雑費を含んでいません

いずれの国においても、語学学校なしでワーホリを行えばよほど贅沢をしない限りは収支はプラスになることが分かります。

しかし、現地にいる際はさまざまな場所へ旅行へ行ったり、アクティビティを楽しみたい方もいるでしょう。その場合は、収支額は変わってきますが、それでもしっかりと働けば大きく赤字になることはないといえます。

語学学校に行かない以外でワーホリの費用を抑える方法はある？

語学学校の費用は、通うと出費に占める割合が大きくなってしまう額です。しかし、以下の方法を実践すれば、語学学校に通いつつもワーホリの費用を抑えられます。

• 時給が高い国でワーホリをする
• カナダなどチップ文化がある国に行く
• 一人暮らしではなくルームシェアをする
• 外食を抑えて自炊をする
• 必要最低限の保険を利用する

それぞれ詳しく解説していきます。

時給が高い国でワーホリをする

ワーホリは現地で働きながら給料を貰いつつ、生活を送れるのが最大のメリットです。すなわち、現地の給与水準での給料が支払われるため、時給が高い国でワーホリをすればその分もらえる給料は多くなります。

ワーホリで人気の渡航先の最低時給は以下の通りです。

国名	最低賃金
オーストラリア	23.23豪ドル
ニュージーランド	22.7NZドル
イギリス	13.15ポンド
カナダ	16.55加ドル
ドイツ	12ユーロ

 

いずれの国も日本円換算で1,800円以上と、東京都の最低時給1,163円（2024年現在）を大きく上回る水準です。特にオーストラリアは2,200円台、イギリスは2,400円台と日本の倍近くの最低時給で働けます。

そのため、時給の高い国でワーホリをすれば最低でも上記の額以上の時給は貰えるという計算となり、必然的に日本で支払った金額以上の収支となることが多いでしょう。

ただし、いずれの最低賃金の高い国も現地での物価が日本よりも高いため、現地での支出を抑える工夫をしなければいけません。

関連記事：ワーホリで稼げる国5選！日本との収入面の違いや渡航準備のポイントも解説

カナダなどチップ文化がある国に行く

カナダやアメリカといった北アメリカの国や、中東圏の国々ではチップの文化が根付いています。チップとは、サービスを受けた人が通常の商品や料金、サービスの料金とは別に、サービスをした人自身に払うお金のことです。そのため、チップ文化がある国でワーホリをすれば通常の給料とは別に、接客した人からチップを貰えるため、収入が増えやすい傾向にあります。

例えば日本においては、感銘を受けたサービスに対して気前よく多めに払うといった気分に応じたチップ文化はありますが、カナダやアメリカにおいてチップは消費者の義務のように支払われます。

良いサービスを行う、お金持ちが集まりやすい場所で働くなど工夫次第で、たくさんチップを稼ぐことができるのもモチベーションにつながりやすい要因のひとつです。

カナダのワーホリについて詳しく見る

一人暮らしではなくルームシェアをする

ワーホリに限らず、日本でも行われることですが、1つの部屋で複数人と共同生活を送るルームシェアは現地での生活費を抑えられます。

以下は、オーストラリアのシドニーでルームシェアをする場合の1週間の費用の目安です。

• 1人部屋：300〜500豪ドル（約28,500〜47,500円）
• 2人部屋：170〜250豪ドル（約16,200〜23,800円）
• 3人以上：120〜170豪ドル（約11,400〜16,200円）

もちろん借りる物件にもよりますが、1週間あたりで最大4倍近く生活費が変わることが分かります。

自身のプライバシーを保ちたい、仕事から帰ってきたときは一人でゆっくりしたいといった人には向きませんが、とにかく費用を抑えたいといった方にはおすすめできます。

しかし、ただでさえ慣れない環境で仕事を行うため、費用面を抑える観点だけでなく「本当に一人の時間は必要ないか？」といった観点で、慎重に家選びをしましょう。

関連記事：オーストラリアのシェアハウス滞在にかかる費用を紹介！地域別の相場や安いシェアハウスの探し方も解説

外食を控えて自炊をする

同じく日本でも言えることですが、外食を控えて自炊をすれば当然現地での生活費は抑えられます。さらに、日本は外食の価格が安い国と言われており、ワーホリ先での外食の値段は日本の数倍することを覚悟しておきましょう。

例えば牛丼は、日本であれば1杯400円で食べられますが、オーストラリアでは1杯2,000円近くすることもあります。ラーメンも1杯2,000円近くするため、現地での生活費を抑えるなら自炊は必須と言えます。

オーストラリアのスーパーで牛肉を買うと、100gあたり2豪ドル（196円・2024年11月レート）前後で購入可能です。日本であれば、牛肉は100gあたり300円以上するため、オーストラリアの方がお得です。現地ならではの安い食材などを見つけて自炊に励むのも、ワーホリ生活の醍醐味かもしれません。

語学学校なしでワーホリに行くデメリット

もちろん語学学校なしでワーホリに行けば費用は抑えられますが、語学学校に通っていれば受けられたメリットが得られません。

• コミュニティが狭まる
• 英語実践の場が職場のみに限られてしまう
• 多様な文化に触れる機会を逃してしまう

順番に解説いたします。

コミュニティが狭まる

ワーホリでアルバイトをしながら生活をしていると、気づいたら職場との往復になってしまったという可能性があります。

積極的にコミュニティを広げる努力をすれば別ですが、知らない土地でアクティブに行動するのは想像以上に大変でストレスがかかります。反面、語学学校に通っていれば同じ授業を受けている人同士や、その人繋がりでコミュニティが増えるといったメリットがあります。

また、職場の人は必ずしも同じワーホリを行っている人とは限らず、いわゆる現地在住の人かもしれません。しかし、語学学校に通っている人は、自分と近しい境遇の人が多い傾向にあります。これから頑張って慣れない土地や、慣れない言語で頑張っていくという共通の目標がお互いにあるため、普通に出会うより強い絆で結ばれるかもしれません。

 

英語（外国語）実践の場が職場のみに限られてしまう

語学学校に行けば、自身が興味のあるコースで言語学習ができるため、使う言語の幅が広がります。現地で生活するだけ、働くだけとなると、自発的に単語や表現のインプットを行わなければ慣れてしまうものです。

日本語で例えると「いらっしゃいませ」「ご注文はお決まりですか？」「ありがとうございました」など、接客業であれば仕事で使う言葉は完璧になったが、さまざまなトピックで話すことはできるようにならないといった事態が起きる可能性があります。

一方で、語学学校であれば授業という形で言語を教わるため、一定の勉強時間を強制的に確保できます。そのため、自発的に勉強する自信が正直ないといった人は、語学学校に通うことを視野に入れましょう。

 

多様な文化に触れる機会を逃してしまう

語学学校には、あまり現地の言葉に自信のないさまざまな国の人が集まる特徴があります。そのような多国籍な環境のなかで友達をつくり、英語を勉強できる機会は日本では得られにくい貴重な経験となります。

まだ全員が流暢でない言語でコミュニケーションを取る環境、かつ全員が何かしらの不安を抱えている環境になるため友達ができやすいのも特徴です。現地の人たちのコミュニティに言ったら、全員が英語がペラペラで打ち解けるなか、自身は置いてけぼりといった経験をした先輩はたくさんいます。筆者自身もその一人です。

語学学校に通えば、近い言語のレベル感の人たちのなかで自己研鑽ができます。そのため、少しでも現地での生活に不安を抱える人は語学学校に通うことをおすすめします。

語学学校なしでワーホリをするのに向いている人の特徴

語学学校なしでワーホリに通うのは、特に海外での生活が初めての人や言語に自信がない人にはおすすめできません。しかし、下記の特徴に当てはまる人は語学学校なしのワーホリでも向いているといえます。

• ワーホリにかかる費用をできる限り抑えたい人
• すでに日常会話レベルの英会話（現地の言葉）ができる人
• 自発的にコミュニケーションが取ることができる人

ワーホリにかかる費用をできる限り抑えたい人

やはり語学学校に行かなければ、ワーホリにかかる初期費用はかなり抑えられます。そのため、ワーホリに行くにあたって重要視する項目が「金銭面」の場合は、語学学校なしの選択肢を取ってもいいでしょう。また、現地で働きつつ、お金が溜まったら語学学校に通うということもできます。

ただし、ワーホリで仕事をするにあたって、まったく言葉も聞き取れないし、単語もわからないとなると、そもそも仕事を得ることが難しくなってしまうことも事実です。そうなると元も子もないため、言語力に不安がある方は、やはり最初だけでも語学学校に通うことを検討しましょう。

すでに日常会話レベルの英会話（現地の言葉）ができる人

すでに日常会話レベルの英会話（または現地の言葉）を話せる人は、語学学校なしでワーホリを始めてもいいでしょう。ワーホリにおける最初の壁は、やはり現地の言葉での仕事探しです。そこを越えられる最低限の言語力があれば、費用を抑えるために語学学校に行かない選択肢があってもいいです。

ただし、これらの基準はテストの点数で推し量れないのに注意が必要です。TOEICのスコアが何点あれば面接に受かるというわけではないため、日常会話ができるかどうかがポイントになります。

語学学校には面接対策の授業を行っているものもありますので、不安な方は最初の1ヶ月だけ通うといったことも考えてみてください。

自発的にコミュニケーションを取ることができる人

筆者もたくさん見てきたのですが、英語力（言語力）がこれからという方でも、自発的にコミュニケーションを取れれば友達をたくさんつくったり、コミュニティをどんどん広げられます。

日本でも、今までさまざまなコミュニティに顔を出すのが苦ではなかった人や、ワーホリを機に頑張ってみようという方は、語学学校なしでも充実したワーホリ生活を送れるかもしれません。

タビケン留学は語学学校に通ってからのワーホリをおすすめしています

留学エージェント・タビケン留学では、特に初めて海外で長期滞在を経験する人は、最初に語学学校に通うことをおすすめしております。日常生活でさえ慣れない経験なうえに、現地での仕事を行うのは最初のハードルが高いものです。語学学校に通いつつ現地での生活に慣れたうえで、仕事探しを行うほうが体力的にも精神的にも安心です。

タビケン留学では、オーストラリア、カナダにおけるワーホリの渡航支援および語学学校の手配を行っています。LINEで留学経験豊富なコンサルタントに無料相談もできるので、ぜひお気軽にご相談ください。

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