IELTSの難易度はどのくらい?難しいといわれる理由と技能別の難所を解説
英検やTOEICを受験した経験はあっても、IELTSを受けたことがなければ、自分にとってどのくらい難しい試験なのかイメージしにくいものです。
IELTSには合格や不合格といった明確なラインがありません。難易度はいまの自分のスコアと目標スコアとの差で決まります。絶対的な難しさがあるわけではなく、大切なのはその差をどう埋めるかです。
この記事では、IELTSが一般的に難しいといわれる理由や、4つの技能それぞれの難所、そして日本の平均スコアと目標スコアとの差を解説します。現在の英語力から目標までの距離を測るために、ぜひ参考にしてみてください。
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IELTSの難易度は現在地と目標の差で決まる

IELTSは合否ではなく、1.0から9.0(0.5刻み)のバンドスコアで評価されるため、共通の合格ラインは存在しません。
つまり難易度は、現在の実力と出願先の要求スコアのギャップで決まります。今のスコアが同じでも、語学留学か大学院進学かなど、目的によって乗り越えるべきハードルは異なります。
TOEICや英検のスコアしか分からない場合は、換算目安を参考に現在地を把握することから始めましょう。5.5〜7.5のスコア帯では、0.5違うだけで進学先の選択肢が大きく広がります。
また、同じ0.5のスコアアップでも、目標が高くなるほど難易度は跳ね上がります。実際に8.0を目指してセブへ留学した方も、「高得点帯になってからさらに0.5上げるのがとにかく難しかった」と語るほどです。
関連記事:IELTSのスコアの仕組みとは?4技能の採点方法と有効期限を解説
IELTSが試験全体として難しいといわれる4つの理由

IELTSが難しいと言われる理由は、単に高い語彙力が求められることだけではありません。「題材・音声・記述量・試験時間」という4つの要因が複雑に重なっています。
自分にとって一番の壁になっているのはどれかを見極めることが、スコアアップへの近道です。
- 英文が長く専門的で読む時間が足りない
- イギリスやオーストラリアなどの発音に慣れていない
- 自分の考えを英語で組み立てて表現する
- 試験時間が長く集中力が続きにくい
英文が長く専門的で読む時間が足りない
アカデミックのリーディングでは、書籍や学術誌などの文章が出題されます。専門家向けではないものの、日常会話ではあまり使われない語彙が多数登場します。
さらに、一文が長くて修飾語が何層にも重なっているのも特徴です。そのため、頭から順番に日本語へ訳しながら読んでいくと、確実に時間が足りなくなってしまいます。
制限時間内に読み切るには、先に設問を確認して必要な情報を文章から探し出す「読み方の切り替え」が必要です。単語の知識だけでなく、英語のままスピーディーに情報処理する力が求められます。
イギリスやオーストラリアなどの発音に慣れていない
リスニングの音声には、アメリカ英語だけでなく、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなど、さまざまな地域のアクセントが登場します。
日本の学校教育や一般的な市販教材はアメリカ英語が中心です。そのため、耳が慣れていない発音を聞き取ろうとするだけで、内容理解に使うべき思考の余力が大きく削られてしまいます。
イギリスやオーストラリアの英語は、母音の響きや語末の子音の出方がアメリカ英語とは異なります。本番で戸惑うことがないよう、普段からさまざまなアクセントに触れて耳を慣らしておきましょう。
自分の考えを英語で組み立てて表現する
ライティングとスピーキングは、知識のアウトプットが直接求められるセクションです。
用意された選択肢から正解を選ぶのではなく、自分の主張と根拠を論理的に伝える力が求められるため、知識を詰め込むだけの学習ではスコアに結びつきません。
TOEICなどの選択式テストで常に高得点を取る方でも、この2技能では点数を伸ばせないことがよくあります。瞬時に言葉を選び、英語で自分の考えを形にしていくアウトプット練習を意識的に取り入れることが大切です。
試験時間が長く集中力が続きにくい
IELTSは試験全体の所要時間が長く、集中力の維持が大きな課題となります。リスニング、リーディング、ライティングの3科目は、休憩なしで連続して実施されます。
合計2時間40分も英語の情報を処理し続ける長丁場になるため、集中力とスタミナの維持が大きな壁になります。
後半のライティングの段階ではかなりの疲労が蓄積しており、文章の構成を丁寧に整え直す余力が残らないことも多々あります。本番のペースに慣れるためにも、普段から過去問を通しで解き、スタミナを養っておくことをおすすめします。
IELTSの4技能それぞれの難所

4つの技能にはそれぞれ異なる難しさがあります。対策の順番を決めるには、まず自分の最も弱い技能を把握することが重要です。
弱点が分かれば、何をどの順序で重点的に練習すべきかが見えてきます。4技能の形式や試験時間、設問数は以下の通りです。
| 技能 | 形式 | 試験時間 | 設問数 |
| リスニング | 4パート | 約30分 | 40問 |
| リーディング | 長文3本 | 60分 | 40問 |
| ライティング | 2題 | 60分 | ― |
| スピーキング | 面接 | 11〜14分 | ― |
リスニングは音声が1回しか流れない
リスニングは4つのパートからなり、全40問が出題されます。日常会話から学術的な講義まで、問題が進むにつれて場面が切り替わります。解答時間は約30分で、解答用紙への転記に10分が与えられます。
最大の難所は、音声が1回しか流れないことです。後から戻って確認できないため、一瞬の気の緩みが直接的な失点につながります。
ただ音声を聞き流すのではなく、設問を先読みし、次にどんな情報が来るかを意識して聞く姿勢が求められます。正確に聞き取る力と同時に、設問を素早く読み取る力も必要になるため、聞く・読むを同時に進める練習を重ねておきましょう。
リーディングは長文3本を60分で読み切る
リーディングは、60分で合計2,150〜2,750語に達する3本の長文を読み、40問に答えるセクションです。
長文1本にかけられる時間は単純計算で20分弱しかなく、徹底した時間配分が求められます。時間をかけすぎた結果、最後の長文にまったく手が回らず時間切れになる受験者も少なくありません。
さらに厄介なのが、要約や図表の空所補充といった、解答の根拠が本文の順番通りに現れない設問です。文章全体から該当箇所を素早く見つけ出す技術を身につけ、時間内に解き切る練習が必要です。
ライティングは構成を考えながら2題を書き切る
ライティングは、60分間で2つの課題(Task1・Task2)を書き切るセクションです。Task1は図表などのデータ説明(150語以上)、Task2は自分の意見を論理的に展開するエッセイ(250語以上)が出題され、規定の語数を下回ると減点対象になります。
実際にフィリピン留学でスコア6.0を目指した方も、「ライティングが最も難しかった」と語っています。テーマについて思考を巡らせ、文章を構成する作業を限られた時間内でやり切らなければならないからです。
一度書き始めた文章を後から大幅に書き直す余裕はないため、あらかじめ論理展開のパターンを用意しておき、スムーズに書き出せるようにしておきましょう。
スピーキングは準備時間が短い中で話し続ける
スピーキングは、試験官と1対1で行う面接形式の試験で、全体で11〜14分ほどかけて行われます。
とくに負担が大きいのがPart2です。トピックが書かれたカードを渡され、準備時間わずか1分で、1〜2分間自分一人で話し続けることが求められます。手元の紙にメモを取ることは可能です。
沈黙や過度な言い直しは、流暢さの評価に悪影響を及ぼします。対人面接ならではの緊張感もあるため、本番の環境を想定して話すトレーニングを繰り返してみてください。
関連記事:IELTSの勉強法を初心者向けに解説|始め方・学習期間・教材の使い分け
IELTSの種類と受験方式の違い

IELTSには、大学などの進学を目的とする「アカデミック」と、海外への移住や就労を目的とする「ジェネラル」の2種類があります。どちらを受けるかは出願先の指定で決まるため、難易度だけで受験者が選ぶことはできません。
また、2026年中に試験の実施方式がコンピューター版に一本化されます。進学目的でIELTSとTOEFLのどちらを受けるか迷う場合は、試験形式や費用の違いを比べて決めましょう。
- アカデミックとジェネラルの違いは読み書き
- 2026年でペーパー版は終了するが内容は同じ
アカデミックとジェネラルの違いは読み書き
リスニングとスピーキングの2技能は完全共通ですが、リーディングとライティングの出題内容が異なります。
アカデミックは主に英語圏の大学や大学院進学向けです。一方、ジェネラルは移住希望者や学位を伴わない課程で学ぶ人を対象としており、日常的な話題や求人票、契約書といった文書が出題されます。
留学が目的であれば基本的にアカデミックが指定されるため、対策もアカデミックに絞って進めることになります。
2026年でペーパー版は終了するが内容は同じ
IELTSの受験方式には大きな変更が予定されています。2026年半ばで従来のペーパー版は終了し、以降はすべてコンピューター版に一本化されます。
国内では、東京・大阪の会場が2026年8月実施分まで、その他の道府県会場では2026年6月実施分をもってペーパー版の提供が終了します。
変更されるのは問題の確認や解答方法のみです。出題内容、採点基準、試験時間、発行される成績証明書はペーパー版とまったく同じです。スピーキングも従来通り面接官と対面で行われるため、画面上で英文を読み、キーボードで解答する形式に慣れておきましょう。
関連記事:IELTSとTOEFLの違いは?試験形式・受験料・選び方をわかりやすく解説
日本人のIELTS平均スコアから難易度をつかむ

IELTSの難易度をより現実的に捉えるには、他の受験者の平均スコアと自分の現在のスコアを比べる方法が分かりやすいです。IELTS公式の2024年〜2025年の集計から、日本の受験者の結果を以下の表にまとめました。
| 技能 | 日本の平均 | 40の国と地域のうちの順位 |
| リスニング | 5.99 | 33番目 |
| リーディング | 5.93 | 36番目 |
| ライティング | 5.65 | 36番目 |
| スピーキング | 5.47 | 40番目 |
| 総合(オーバーオール) | 5.82 | 37番目 |
日本人の平均は約5.8で世界では下位
アカデミックにおける日本の総合スコア平均は5.82です。公表されている40の国と地域の中で比較すると、日本は37番目と下位に位置しています。
つまり、総合スコアで6.0を超えれば日本の平均を上回ることになります。最初の受験で思うような結果が出なくても、平均をひとつの目安として、目標までの差を確認してみましょう。
話す・書く技能の平均がとくに低い
技能別の平均を見ると、リスニング(5.99)やリーディング(5.93)に対し、ライティング(5.65)やスピーキング(5.47)が明確に低くなっています。とくにスピーキングは40の国と地域の中で最下位です。
これは、日本の英語教育が「読む・聞く」に偏っており、自分で考えて「書く・話す」というアウトプットの機会が不足していることが背景にあります。
IELTSの総合スコアは4技能の平均値で決まるため、スコアの低い2技能が全体を押し下げる原因になります。裏を返せば、ライティングとスピーキングには大きな伸びしろがあるということでもあります。
大学でよく求められる6.5との差は約0.7
海外の大学進学で求められるスコアの目安を見てみましょう。例えばオーストラリアのシドニー大学やイギリスのリーズ大学(修士)では、総合6.5(各技能6.0以上)が基準とされています。学部によっては総合7.0を求められるケースもあります。
日本の総合平均である5.8と、大学がよく求める6.5の間には約0.7のギャップがあります。
総合スコアは4技能の平均で決まります。日本の平均像から計算すると、スコアの低いライティングとスピーキングをそれぞれ1.5ずつ引き上げれば、全体平均は約0.75上がる計算になります。差を埋めるためには、まず弱い2技能に絞って対策を始めるのが効果的です。
関連記事:IELTS6.5はどのくらいのレベル?出願できる進学先と7.0までの差
目標スコアとの差を留学で埋めたい方はタビケン留学へ

現在のスコアと目標スコアとの差を埋める方法には、大きく分けて独学、日本国内の語学講座の受講、そして海外への語学留学の3通りがあります。
どの方法を選ぶかは、目標とするスコアの高さや目標達成までの期間、用意できる予算によって決まります。しかし、これらの条件を踏まえて、3つの方法を自分1人ですべて調べて比較するのは簡単ではありません。
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関連記事:フィリピン留学でIELTS対策|コースの選び方と費用の目安を解説
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まとめ:IELTSの難易度は自分の現在地から測る

IELTSには共通の合格ラインというものが存在しません。難易度は、今の自分のスコアと志望校が求めるスコアとの差で決まります。
試験が難しいといわれる背景にあるのは、アカデミックな題材、多様な発音のリスニング音声、自分で考えを組み立てる必要がある記述、そして長時間の試験という4つの理由です。
とくに日本の受験者は書く・話す技能の平均が下がりやすい傾向です。
一方で、その2つの技能には大きな伸びしろが残されているともいえます。目標スコアや留学までの期間が決まりましたら、タビケン留学にぜひ一度ご相談ください。

















